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みんなdeクエスト 那由多の道と異界の扉 10連携
- 1 :名も無き冒険者:2016/03/29(火) 22:24:37.88 ID:bq+C2Dsl.net
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次スレは>>970 が立てる事。無理なら代わりの人を指名。
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みんなdeクエスト 那由多の道と異界の扉
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▼前スレ
みんなdeクエスト 那由多の道と異界の扉 8連携
http://wktk.2ch.net/test/read.cgi/netgame/1419857984/
- 341 :破壊師:2016/05/19(木) 11:06:21.93 ID:ED50ljSIg
- 暴風の竜を打ち倒した破壊師達が次に訪れた場所。
短くは“丘”――正しくはザルナルバック月光丘陵と名付けられた超常地形が持つ特性は、
既に過去行われた破壊師とオリオールの探索によって、大まかに割れている。
その特性を極々単純に言い表すなら、昼は安全、夜は危険だ。
太陽が出ている間は、真なる亜獣達の楽園とも呼ばれる
エルツァン島の中に居る事すら忘れてしまう程に平穏な世界が広がり、
そして太陽が地平に落ちて姿を消すと、今度は逆に凶暴極まる亜獣達が我が物顔で歩き回る、
正に人々が想像するエルツァン島そのままの危険な世界が姿を現すのだ。
- 342 :破壊師:2016/05/19(木) 11:06:59.46 ID:ED50ljSIg
- 当初、部隊は昼間に丘を進み、
夜に陣を構築して敵襲に備えるという方針を採っていた。
しかし、それは直ぐに逆転する事になった。
夜間はほぼ常にそこかしこから現れる亜獣達の襲撃を受け続ける事になり、
陣形の内側にいた休息予定の兵士達すら一睡たりともできないような惨状となったからだ。
それ故、昼間に十分な休息と準備を行い、
そして夜の訪れから朝の始まりの間、
跋扈する亜獣を薙ぎ倒しながら前進を続けるという手法に変更された。
- 343 :破壊師:2016/05/19(木) 11:07:29.66 ID:ED50ljSIg
- しかし、それでも夜間、特に深夜帯に出没する亜獣達の強さは群を抜いており、
下手をすると大鬼、禍鬼にも匹敵しようかという強さを持つ亜獣達が、
群れを成して襲い掛かってくる事もあるのだ。
一日、一日と過ぎる毎に部隊の疲労は増し、負傷者も増えてきた。
一時は陣の内側に亜獣の侵入を許し、補給物資が損害を受ける事もあった。
――このままではまずい。
何らかの打開策を考えねばならないのは皆の間で一致する意見であり、
当然部隊長たるイェアもノクトワイと何度も話し合い、その方法を模索していた。
そんな時、である。
- 344 :破壊師:2016/05/19(木) 11:08:53.09 ID:ED50ljSIg
- 「あの音の原因を探し出し、優先して叩くという手が良いのではないかと、
わたしは考えます」
「あいつらをやっつけちゃえば、きっともっと、夜が静かになるわ」
そう進言したのは、ノエルとウィースルゥインの二人だった。
「……音?」
首を傾げるイェアに、ノエル達も同様に首を傾げる。
「聞こえませんか? 日が暮れて、夜になって、月が空に昇っている時だけ響く、あの笛の音」
「ああ……言われてみればそんな音がちらっとしてたような気がしますわね。
てっきり気のせいかと深く考えていなかったのですけれども」
「あと、歌う声もする。私、知ってるわ。
あれが、この場所の歪んだ夜を生む奏者達だって」
そして彼女達の話が続いていく程、聞いているイェアの顔がどんどんと険悪になっていき、
「ちょっと待ってください。つまり、こういう事ですか?
今、この“丘”で発生している昼と夜の二面性……
特に夜に凶暴な亜獣がばんばん湧き出てくるのは、
貴女達の言う存在が元凶であり、
それをどうにかしたらこの状況は直ぐにでも解消される、という事ですの?」
「うん。そう」
「少なくとも、その傾向は弱まると、破壊師が奏手を討伐した後の記憶から読み取れるとわたしは考えます」
「…………」
- 345 :破壊師:2016/05/19(木) 11:09:47.39 ID:ED50ljSIg
- その答えに、ふるふるふる、と顔を伏せたイェアが、何かを噛み締めるように震え、
しかし耐えられなかったようで爆発した、
「――それを! ――先に! ――言ってくださいな!
あなた達、陣地でそんな話一度もしなかったじゃないですのっ!」
「……そうでしたっけ?」
「したと思う。ただ、あまり強い存在じゃないって言ったら、
『じゃあ別にどうでもいいですわね、
どうせ“丘”なら戦わずとも通り抜けられるでしょうし』って」
そこで、今まで黙っていたオリオールが挙手までしてから話に加わる。
「というか、その辺りの事は破壊師と僕がここを探索した際に似たような話をして、
予測としてそういう可能性もあると一応報告したと思うのだけど……」
「…………」
破壊師も無言でイェアの方を見る。
集中する視線。ノクトワイが、苦笑と共に口にする。
「あー、部隊長殿? 皆こんなこと言ってるけど?」
「……御免なさいでした……その、すっかり忘れておりました……」
少し離れた位置で成り行きを見守っていたリゼラが、心底呆れた風に、深々と吐息をつく音が聞こえた。
- 346 :破壊師:2016/05/19(木) 11:11:59.49 ID:ED50ljSIg
- ウィースルゥインとノエルが言うには、歪の奏者を倒すのはそう難しい事では無いらしい。
奏者の攻撃方法は、主に音波を利用した概念破砕。
しかし、常人ならば到底耐えられないであろうその攻撃に対して、
「そんなものなんて、私に通じやしないもの」
あっさりとウィースルゥインはそう言ってみせる。
むしろ厄介なのは、その音の出所とされる場所に到着するまでの道中だという。
目印として大岩が存在する場所――
オリオールが過去に予想していたこの土地の要の一つ――が、
そもそも夜にしか明確に出現しないらしい。昼間は大岩の存在が安定しておらず、
在るか無いかが不確かになり、見つけるには相応の運を要すると。
つまり、確実を期するならあの危険な夜に音の出所を探り、
そこへと移動せねばならないのだ。
最初は軍部隊をそこまで移動させるという案も考えられたのだが、
それはウィースルゥインが不要だと断言し、
ノエルも同意した。自分達二人でも十分――
保険として破壊師が居ればもう万全だ、と。
そうして夜に軍部隊を置いて出発した三人は、
襲い掛かる亜獣達を薙ぎ倒しながら音の出所まで移動し、
見つけた大岩の上にて出現する大小三つの影と対峙した。
歪な音を奏でる人影と、従う妖魔が放ってくる攻撃を往なし、
反撃によって大岩の上より吹き飛ばし、
ひらりと動いたウィースルゥインが奏者の動きを、
続く破壊師が二体の妖魔の動きを押さえる。
「ノエル」
「――行きます!」
そうして確保された射線。
構えた黒銃フォーレミュートから放たれる、陰陽相克、
万象の力が圧縮された弾丸が、奏者達の“本体”である大岩を打ち砕いたのだ。
- 347 :破壊師:2016/05/19(木) 11:12:21.31 ID:ED50ljSIg
- その瞬間、丘中に立ち込めていた歪な気配は見る間に遠のき、
暴れていた亜獣達の姿も、
まるでその存在が幻であったかのように薄れて消え去っていく。
後に残ったのは、日中と同じ、平穏な丘陵の風景。空に浮かぶ月は、
いつのまにか優しく仄かな輝きを灯す半月へと、その姿を変えていた。
- 348 :破壊師:2016/05/19(木) 11:13:12.30 ID:ED50ljSIg
- “谷”と“丘”。二つの超常地形を何とか潜り抜けた軍部隊は、
まず一つ目の目的地であるキルーザム狼咆洞穴の入り口へと辿り着く。
大口を開けた大空洞。それを前にして、
イェアとノクトワイは洞穴侵攻についての最後の詰めを行っていた。
キルーザム狼咆洞穴での作戦内容は比較的単純なものだ。
というよりも、洞穴自体が非常に簡単な構造であるため、
少なくとも道中部分に関しては小手先の技を使いようがなく、
ただ隊列を組み、洞穴内に棲む亜獣や鬼種などの危険生物を排除しながら進む以外の選択肢がないのだ。
勿論、終着点にて存在する大禍鬼に対しては相応の準備を行っているが、
それにしてもノエルとウィースルゥインから得た過去の戦いの記録から、
大禍鬼が操る力をある程度推測し、その対抗策を用意してあるというだけの話。
- 349 :破壊師:2016/05/19(木) 11:13:59.06 ID:ED50ljSIg
- それ故、いざ今ここで頭を使う部分と言えば、
長く伸びる隊列の何処に誰を配置するかという程度の事でしかない。
軍部隊自体の列構成にはそれ程迷う所はない。少数の斥候が先頭となり、
続いて敵と直接相対する近接系兵士で構成された前衛組、
その後ろが全体指揮と負傷した前衛の治癒を主とした補助を行う中衛組、
そして後方から角度を取っての遠隔攻撃で火力支援を行う後衛組に分ける、
といった程度の話だ。前衛組に人数を多めに配分し、
その中で分隊列を構成。
消耗度合いによってそれを順次ローテーションさせて治癒休息補充などを行う、
スタンダードな戦法である。
問題は、破壊師達軍内でも特殊な立場や強力な戦闘力を持つ人員を、
どう配置するか、である。
- 350 :破壊師:2016/05/19(木) 11:15:00.03 ID:ED50ljSIg
- 相談の為に集まった皆の中で、イェアが破壊師の方に一歩踏み出し話し始める。
「内部はほぼ一本道に近い大洞窟。広いとはいえ、
数十人が常に横に並べるほどのものではありませんし
、陣形はどうしても縦長の列になりますわね」
「亜獣の回避は難しい地形だし、
何より狼鬼の子分みたいなのが一杯いるんだっけ?
ならアタシは最前列で指揮しないと駄目か」
イェアの言葉を引き継ぐように、己の髭をぴんと弾いた男の方に、小柄な少年が近付く。
「我も、そちらに回る。後方からの挟撃が生じにくい場であるなら、
戦力は前面に集中した方が良かろうよ」
「そりゃ心強いわ。取り敢えず、大盾並べて陣形組んで、
疲労や負傷状況見ながら列入れ替える感じでいくわ」
「では、わたくしはその後ろで全体の状況把握と、指揮を努めます。
後は、遠隔攻撃組を並べて……ノエルもこの辺りで
……破壊師さんとウィーちゃんはもしもの時の戦力としてわたくしの近くで待機、と。
まぁ、こんな感じでしょうか。あ、ハマダン様は前方斥候にご協力を」
「了解だ。ただ、むしろここで考えるべきは、どう動くべきか、だろうね」
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