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『読みました』報告・国内編Part.8

1 :名無しのオプ:2014/07/10(木) 14:31:01.36 ID:vg/Otbu3.net
国内編が落ちたままなので立ててみました。
過去のスレッドは後ほどリンク予定です。
よろしくお願いします。

329 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2015/12/31(木) 17:44:43.47 ID:R0e5Aiuo.net
岡本綺堂「傑作情話集 女魔術師」を読んだ。
久々に綺堂テーストを堪能させてくれた作品集。
綺堂オタである俺は、収録7作品中、「磯部のやどり」
「子供役者の死」「怪談一夜草紙」「岩井紫妻の死」は
読物選集巷談編(青蛙房)で既読であったが、
表題作と「庄内の仇討」は、
現在ではこの本でなければ読めないレア作品、
しかも面白いのだから、この2作目的だけでも買う価値有りであった。
まじで光文社文庫マンセー!や。
収録作品全話講評逝ってみようか!!!
・「海賊船」
本作は先に末國氏の綺堂探偵小説全集第2巻に収録されているが、
未読であった。「かいぞくせん」でなく「かいぞくぶね」であり、
略奪でなく人攫い目的のクルージング船と意味合いも異なる。
かどわかされた武士の娘たち(姉妹)に仕える若干(当時ならそうでもないか)
17歳のお末ちゃんが賢くも可愛くカッコ良いのだ。
主人姉妹を連れ去られた彼女の必死の追跡行・・
終盤登場する岡っ引幸次はあの三河町の親分を想起させる好漢ながら、
目立った活躍無し。
悲惨な結末を遂げるキャラもいるが、綺堂作品には珍しくハッピーエンド、
この辺は、やや物足らないありきたりな感があるものの、
ただし「完全」とまでいかないのが、(遠い紀州のことまでは不明)、
この辺はいかにも渋い綺堂テーストではある。

330 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2015/12/31(木) 17:45:20.93 ID:R0e5Aiuo.net
・「磯部のやどり」
前記したとおり、選集で既読済み作品であった。
巷談編中でもかなり面白く思うた作。
文庫刊行時の季節柄に合う赤穂浪士絡みネタ。
・「子供役者の死」
巡業先で土地の顔役のイロ(年上)と良い仲になった子供役者の悲劇の
顛末。これも巷談編中では印象に残る作のひとつであった。
世の怪談の裏話ってこんなものなのかもしれぬ。
しかし、作者狂綺堂も同感のようだが、子供役者はちと気の毒な感あり。
まだ、男女関係の機微などわからぬ歳で当然なのに・・
・「怪談一夜草紙」
老女の語りに惹き込まれる感がある怪談の裏話。
すっきりしない結末が綺堂らしさ溢れるものあり。
・「庄内の仇討」
小品ながら異色の仇討ち小説。
とにかく終盤の展開が面白く、池波正太郎「仇討群像」とか
好きな向きにはお薦めだ。
なぜか過去の選集にはセレクトされていないのはその異色さゆえか、
(怪談、探偵譚、しかも巷談と称するのも微妙な武家もの)
・「岩井紫妻の死」
これは狐による諸な怪奇譚。
しかし、狐を襟巻ならぬ胴服化した茶屋の亭主は無事安泰というのは
面白い。巷談編からの作品セレクトはなかなか良だ。
ただし、本作は初出誌の方に準じた校訂とのこと。
・「女魔術師」
これは面白い。正に今年最後の拾い物と言い得る作であった。
座長でもあるセクシーな女魔術師をめぐる男絡みの情話というか、
むしろ奇譚である。劇作家らしい粋な幕切れも良。
精神的サド傾向ありなヒロインのリベンジの様はグイグイ読ませる
面白さに富む。

331 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/01/09(土) 21:18:17.47 ID:F0Awd1Uf.net
三島由紀夫「ラディゲの死」を読む。
昨年、自死から45年を迎えた天才作家の短編集。
天才三島はミステリは嫌いだったようだが、この本にはミスオタ向きな作も収録
されている。
表題作は詩人コクトオ目線でラディゲの早逝を描いた非ミステリだが
若い公務員アベックの楽しいはずのデートが思いもしない凄惨な結末を迎える、
ちょいアメリカン・ミステリ掌編風テーストな「日曜日」、
不気味なサスペンス溢れる「復讐」・・この辺は読んでみれ。
非ミステリながら、いかにも三島流のシニカルなユーモア満載な「偉大な姉妹」も
面白いぞ。

332 :名無しのオプ:2016/01/10(日) 18:01:39.85 ID:jjQ3vCYG.net
>>4をちょい変更

書斎魔神にどうしても我慢できなくなったり反論したくなった場合は、下記スレにて

書斎魔神・アホアホ語録指導部屋 24
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/8993/1418901075/l50
書斎魔神・アホアホ語録格納庫 その33
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1325054903/l50
【12月23日に】書斎魔神ファンクラブ18【サンタクロース】 [転載禁止](c)2ch.net
http://hanabi.2ch.net/test/read.cgi/bobby/1420076225/l50

関連スレ
書斎魔神に加担する者達part3
http://potato.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1351990226/l50
本スレで書斎魔神を叩いている奴ら
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8993/1360142714/l50

333 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/01/10(日) 18:13:15.70 ID:bhLTbuBq.net
三島由紀夫「禁色」を読んだ。
三島長編中では、なぜか未読のままであった本作を読了。
全編にみなぎるこの作家独自の美、芸術に対する思想性を読み解くのは
決して容易ではないのだが、LGBTが話題になりがちな昨今、
この昭和20年代に早々と書かれた作を読んでみるのも意味あることかと思う。
メーンストーリーは、醜い風貌の老作家が偶然知り合ったGな美青年を利用し、
女たちへの復讐を意図するもの、と書くと昔の昼ドラとかにありそうとか
言われそうだが、そこは天才三島の手になるものだけあって、
巧みな情景描写も効果を発揮、ストーリー展開のみだけに着目しても、
グイグイと読ませるものがある。
作中でミステリに関して言及された部分がわりと目につくので、
この板の性質上抜粋して紹介しておく。

うちの家族は変わり者ぞろいだから小説(のネタ)にならないかと自慢する一家の主人
への老作家の感、
「残念ながら家長の自慢は当たっていなかった。よくそういう一家があるものである。
お互いにこれっぽちも変わったところが見出せないので、仕方なしに一家そろって
探偵小説を耽読して健康の飢えを癒やしている家族が」

334 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/01/10(日) 18:13:52.12 ID:bhLTbuBq.net
主人公(悠一)が知り合うゲイの青年、稔(養父である神田の喫茶店主人と関係あり)
のプロファイルの一文、「彼は酒をおぼえ、探偵小説を耽読し、また煙草を喫むことを
おぼえた」
この夢想がちな稔青年の花火見物しながらの台詞、
「いいな、あんな風に」
と探偵小説の一節を思い出した稔が言った。
「人間をみんな花火に揚げて殺しちゃったら。世界中の邪魔なやつを、一人一人、
花火にして殺しちゃってさ、世界中に悠ちゃんと僕と二人っきり残ったらいいだろうな」
「パノラマ島奇談」も読んどるがな(w
でも、ミステリは現実逃避の手段、過ぎると悪癖ってのが、この大作家の観念なんだろうね。

335 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/01/17(日) 20:32:08.56 ID:OmXSF+Rf.net
岡本綺堂探偵小説全集第二巻(大正五年〜昭和二年)
うーん、狂綺堂作品と聞けば目がない俺なんだが、第一巻を読んだ時と同様に
「狂綺堂も面白くない作を結構書いてるんだな」というのが正直な感。
特に翻案もの、
舞台が外国なのに日本人読者に抵抗感がないようにという時代的配慮で、
ロザアランドの滝治とか、ロンドンの伊振先生(医師)とか、
何か今読むと違和感ありありですわ(w
また、ストーリー的にも見え見えな展開と最終的に投げっ放しの超自然現象ネタ等、
何でこれを翻案ってものばかり。
収録作品の掉尾を飾る形となる「稲城家の怪事」(後に「青蛙堂鬼談」の一篇「西瓜」
としてリライトされる)も、読み比べると出来の差は歴然。
資料価値と編者末國氏の労は認めるけど・・・という本としか評しようがない。

336 :名無しのオプ:2016/01/23(土) 22:04:25.01 ID:xgjc3N73.net
 
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/Godzilla-G.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/DarkKnight-J.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/StarTrek.html
 
管理会社、仲介業者が苦情に対応せず困っています
これらの人と知人,家族,親類の方はお知らせ下さい。
 
●浪速建設
南野 東条
http://www.o-naniwa.com/index.html
社長 岡田常路
http://www.o-naniwa.com/company/
 
●アパマンショップ八尾支店
加茂正樹 /舟橋大介
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ays.html
社長 大村浩次
http://www.data-max.co.jp/2010/10/01/post_11983.html
 
●クリスタル通り122号室,205号室の入居者
 
hnps203@gmail.com
 
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ia-1-3.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ia-2-1.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ia-3-1.html

337 :読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2016/02/05(金) 19:02:17.18 ID:tV11TuWN.net
「平家伝説」半村良(角川春樹事務所)

慎ましく平々凡々と生きてきた青年浜田五郎は、運転手として雇われている高村家の出戻り娘敏子と恋に落ちる。
どこか気まぐれで謎めいた敏子は五郎を振り回し、やがて彼の背中にある痣に興味を示す。それは鳥の形をしていて、五郎の行きつけの銭湯の主人によると平家の財宝の手掛かりになるというが……。
騙された……。もうさ、男女のゴタゴタを書きたいならはなからそうしろよ。伝奇ぽくしないでくれ。
いくら平家の蘊蓄傾けようが宝の隠し場所を推理しようが最後にオチをつけようが、やりたかったのはそれだというのは明らかジャマイカ。
そっち先行で伝奇は後付けだろ。萎えるわ〜。

338 :名無しのオプ:2016/02/23(火) 22:28:42.19 ID:adP0PR/6.net
ぜひ、ご参加ください。
【自治】ミステリー板強制コテハン導入議論スレ [無断転載禁止]©2ch.net
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1456186746/

339 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/03/12(土) 14:33:40.69 ID:Xw/nRTQW.net
富田常雄「鳴門太平記」を読む。
本作も新たに冒険スパイ小説ランキング入りしたもの。
メーンは根来忍者群を絡めて四国蜂須賀藩の騒動を破天荒に描いた作。
根来忍者に養育された主人公の青年(朱長八郎)とその実父で女敵討ち後に
脱藩した重兵衛は、大衆小説らしい運命の出遭いをするが、
終始、敵・味方の対立関係には立たず。この点では「太平記」のネーミングには「?」。
(この点では、史実からも見立てに成程感ありな池波御大の「真田太平記」
とは異なる)
文庫本上・中・下3分冊(各巻400頁超え)のボリューム感溢れる作だが、
偶然性連発、御都合主義モード全開な展開と相成るが、
まあ、この長さで多数のキャラを回すにはこれしか手はないのであろう。
60年代前半に書かれた作にしては、現代の時代小説かと見まがうほどの、
エロシーン(まず人妻(重兵衛の妻)レイプ、父娘相姦、同性愛、
執拗なストーキング等々)満載。
これは評価できるかできないか(w
ただし、主人公の恋人(と言ってよいかと思う)の商家の娘のみは
いつもレイプ寸前(文字通りの寸止め(w )でレスキューされるという
お約束過ぎる展開はイマイチ、シバレン先生や山田プータロー先生なら
容赦ないだろうになあ、後半の展開も父子二代に渡る復讐鬼誕生とかの
壮絶なものになりそうだが。
普通にハピ、ハピ、ハッピーなエンディングですわ。

340 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/04/09(土) 15:09:57.60 ID:ivw0Lw2T.net
畑中章宏「ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか 新美南吉の小さな世界」を読む。
専攻でも専門家でもないが、筆者は意外に民俗学の本を読むのは好きなんで
ある。柳田国男、宮本常一とか、今でも紐解くことあり。
更には、タイトルに冠された「ごん狐」は動物ねたフィクションとしては、
海外作品「フランダースの犬」(先日は最新の研究書を紹介済)と並ぶ
お気に入り。
童話中では、浜田廣介「泣いた赤鬼」(「りゅうのめの涙」も良だが)、
小川未明「赤い蝋燭と人魚」と並ぶ、昔から大好き作品の一角を占めるもの
である。当然、本書には手が伸びるという次第。
小学校低学年用教科書の定番、それに止まらず絵本等も多数出版され、
愛読され続ける童話「ごん狐」を初めとして、過去には宮沢賢治作品ほどには
学問的研究対象とされて来なかった(この点は本書中で著者が言及)南吉作品群を民俗学の見地から作品背景、テーマ等を簡潔かつ平易に述べた書と言い得る。
ただし、タイトルで「ごん狐」オンリーの研究書を期待すると外される、
第1章「狐のフォークロア」と締めとなる第5章「最も弱いもの」で言及
されるが、(霊獣とも見られている一方、狐=害獣という社会認識もあったゆえ、ごんは射殺されてしまったというのが結論か)、分析対象はかなりマイナーなものを含めて南吉作品全般に及ぶ。
(当然、「ごん狐」と双璧を成す南吉の代表作にして人気作の「手袋を買いに」もあり、同じ狐ねたで対照的とも言えるハッピーエンディングだが、これも良作)
ゆえに、ごん狐フリーク(?)には、2000年刊行とかなり前になるが、
「『ごんぎつね』をめぐる謎」(教育出版)という書の方が、より興味深く
読めるやもしれぬ。
(本作に関しても過去に論考あり、読みましたスレ過去ログを参照されたし)

341 :名無しのオプ:2016/04/09(土) 23:00:26.35 ID:6P9+twfu.net
書斎さん!可愛い弟子のでつまつくんのスレに何故来ないんですか?

342 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/04/16(土) 21:05:51.88 ID:ff1JnIEE.net
青山文平「つまをめとらば」を読む。
記念すべき直木賞受賞作品、コンパクトに纏まった6作を収録した
武家もの時代小説集である。5作は男性主人公(家格は異なるものの、いずれも武士)ながら、テーマは全て「なおん(女)」ちゅーか、「女という存在」である。
(ねらーには苦手なテーマかもしれぬ(w )
しかし、固い話ではなく、難しい話でもない。
美化もず、貶めもせず、あるがままに女というものが本質的に持つ性(さが)
を描いている感あり。
テースト的には、藤沢周平ファンには推せるものあり。

343 :名無しのオプ:2016/04/16(土) 21:15:00.79 ID:zJMijKXx.net
黒川博行「悪果」
登場人物が全員腐った悪人で魅力を感じなかった

344 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/04/24(日) 21:49:02.32 ID:oEUG8xZN.net
日影丈吉「真赤な子犬」を読む。
うーん、バカミスの走りの評、作者曰くユーモア・ミステリとの言に惹かれて手
にしてみたが、今読むと、さほど面白いものには思えず。
カー(作中でも言及されている)まがいの雪中の足跡と死体の謎も
玉乗り的アクロバティックとは・・・
2つの殺人に関するフーダニットはたいしたことないです。
これもカーまがいなスラプスティックな展開に惑わされなければ簡単に犯人
は指摘できるでしょう。

345 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/04/30(土) 01:09:45.20 ID:6l3FhLsZ.net
日影丈吉「応家の人々」を読む。
謎解きミステリとしての評価はともかく、日影作品長編では、まず本作を一に
挙げる者多し。
日本統治下の台湾を舞台にした時代と場所両面からエキゾチックな
ムード満点な作である。
意外や日活アクション映画かお冒頭から、舞台は一転、往年の台湾に
ここでは、またも意外やロスマク風な淡々としたハードボイルドタッチへ
(この辺が文学的と評された因やもしれぬ)。
最後は台湾の秘密結社とそのラスボス登場と、
またしてもB級アクション映画の世界へ(w
タイトルに冠された応家出身の妖艶なヒロインは、探偵役の主人公(公安担当の軍人)とは殆ど絡まず、わりとあっさりと退場(あぼーんされてまう)。
最初はガヤの一人かと思うた氷屋店員の美少女(13〜14歳設定)が要所
で登場、キーマンというか事件解決に至る「キー」さえ提供する。
他にも応家の幼女(2〜3歳、長男の娘)を気にかけるシーンがあったりと、
初読時にはわからなかったが、日影先生は今流行(?)、2ちゃんに多い
「あれ」傾向あったんではとか思うてしまう(w

346 :読後感 ◆VkkhTVc0Ug :2016/05/06(金) 19:04:08.86 ID:OR0Zb7CO.net
「秀吉 秘峰の陰謀―佐々成政の飛騨雪中行」長尾誠夫(祥伝社)

天正十二年、豊臣秀吉と敵対する越中国主佐々成政は徳川家康に援軍を求めようとしていた。成政自ら極寒の中峻険な飛騨山脈を越え浜松へと向かうのである。
一行にはかつて山中で命を狙われていたところを成政に助けられた男武松も加わっていた。
決死の覚悟で挑む男たちに雪山は容赦ない牙を剥く。更に謎の忍者たちの襲撃も重なり一行は一人また一人と数を減らしていくのだった。
彼らは果たして山を越えることが出来るのか……。

某スレからのセレクト。末森城の戦いから始まるのは戦国小説としても珍しく(花慶くらい?)、文章もキビキビしていて情感もあり最初は違うジャンルとして楽しめた。
しかしこれが如何にしてミステリーになるのかが判らず、犯人はどう設定されるのか注目していたところ、判らないままで「もぐら探し?」と思っていたら終盤まさかの!
この展開は読めなかった。論理のアクロバットに近い感じかも知れない。
ただ、ピンとこなかった。フェアじゃないのはさておくとしてもミステリーとしての演出が薄いからモードが切り替わってて時代小説読みになってしまう。もう少しぽさを出して欲しかったなあと。
やりすぎると自然に驚けないから難しいんだけどね。

あと、平気で史実と違うこと書くのはどうかと思う。名のある武将を数十年早く死なせたり。過程ならともかく結果を変えちゃいかんよ。

347 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/05/28(土) 21:48:30.80 ID:k2j9BGpl.net
島田荘司「北の夕鶴2/3の殺人」を読む。
雪国を舞台に往年のシマソウらしいアクロバティックなトンデモトリックが
炸裂する作だが、この点だけで勝負しなかったのが惜しまれる作でもある。
相当に頁数を費やして描かれる吉敷刑事の別れた妻に対するウエット過ぎる
愛情譚が、とにかくうざ過ぎる。
釧路の原生林を開発して建てられた三ツ矢マンション(三つの風車型)で起きた
鎧武者の亡霊や夜泣き石伝説が絡んだ不可能犯罪という舞台設定も、
相当に魅力的なだけに残念である。

348 :名無しのオプ:2016/05/30(月) 15:38:33.51 ID:hwDU1FG7.net
ドラゴンフライ 河合莞爾 角川文庫

ストーリーの構成としては完成度が高いが、入れ替わった人物の設定に
一か所ミスがあったのが残念。ほんの一行、ワンフレーズなので見逃し
がちだけど、読者にとっては消化不良になるかも。
あとポケベルが出回り始めたのは1968年ではなく、1986年。
1968年の発明なら、画期的文明の利器になってしまう。

これは、作家のミスか誤植なのかは解らないけど、ちゃんとチェック
すべきところ。

349 :名無しのオプ:2016/06/01(水) 10:18:40.44 ID:gA21OWYO.net
「蛍の森」 新潮文庫 石井光太

純粋なミステリーというよりは、ミステリー仕立ての社会派小説かな。
元々ノンフィクションライターの筆者が地道に調べたベースがあるから
とても読み応えがあった。

350 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/06/11(土) 21:25:03.22 ID:lEuUSffz.net
伊東潤「巨鯨の海」を読む。
古式捕鯨ネタの冒険小説扱いでこの板で紹介しておくが、
それに止まるものではない。この点は、各人、心して読め!!!
「この時代小説がすごい!2014年版」の単行本部門第1位、
第1回高校生直木賞というのまで受賞した作。
うーん、JK(選考委員はこちらが多い)、DKがこれを推すかなと・・・
今では少数派であろう本好き高校生のセレクトには正直感心した。
鯨の血の匂いが漂って来るようなビビッドさ、
本好きには、甘口な現代小説やテレビドラマは、やはり物足りない
ものがあるのであろう。
収録作品全話講評逝ってみようか!!!
・「旅刃刺の仁吉」
連作集冒頭に収められた作としては古式捕鯨に関するターム多数で、
読み難い作なのだが、後の収録作を読むための予備知識として、
仕方あるまいか。旅刃刺のカッコ良さが目立つ、何か股旅ものの如き締め。
正直言うて、面白い作ではなかった。
・「恨み鯨」
龍涎香の盗人は誰か?、この板にふさわしいエピではあるが朝鮮人参の
くだりを見れば、ミステリ板住人であれば真相は見え見えかと。
エルのYの悲劇パターンとかは、穿った見方に過ぎようが。
・「物言わぬ海」
これって、伊東版「スタンド・バイ・ミー」?とか思わせる作。
(虚弱な少年が、後には一番の成功者となる展開とか)
スリリングな少年たちの漂流もののテーストもあって、かなり面白い。
意外というか、ラストはヘビー。
お約束な展開でなく、この連作が面白くなって来た感ありだった。

351 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/06/11(土) 21:26:06.12 ID:lEuUSffz.net
・「比丘尼殺し」
これはこの板にドンピシャなサイコ・ミステリ。
オチもその線だな。(やはり晋吉が・・・)
・「訣別の時」
主人公の少年(太蔵)が、捕鯨の根拠地である故郷(太地)を去る
旅立ちの物語(ある意味でありきたりと言い得る)かと思いきや、
後半で意外な方向に話は展開してゆく・・・これも「運命」というか。
収録作品中の一には、俺はこれを推すな。
・「弥惣平の鐘」
時代は既に維新後、衰退傾向な大地の捕鯨、
親子鯨を深追いしてしまった船団の悲劇。
これも凄まじいまでの漂流譚と相成る。
タイトルに即した淡々としたラストも良しだ。。

本作が直木賞候補になりながら、受賞にまでは至らなかったのは、
遠い昔に、津本陽「深重の海」という鯨捕りを描いた同傾向の受賞作が存する
こともあったのでは?
方言多用でリーダビリティ難な深重と比較して、その辺に配慮しながらも
現代作品らしく、適切に標準語の語りを見せる本作は、読み易さは上なんだが。

352 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/06/12(日) 20:34:37.12 ID:IvEvilB8.net
木下昌輝「宇喜多の捨て嫁」を読む。
数多の書き手を誕生させたオール讀物新人賞受賞作にして、
第2回高校生直木賞受賞作である。
「サラバ!」(受賞作)を排して本作を推したJK等は、
まじで凄い。
宇喜多直家という人物そのものが、さほど著名ではない戦国大名だし、
前年度受賞作の巨鯨同様に、
今回は乱世の梟雄宇喜多直家の業病による血膿の匂いがラストまで漂って来るかの如き作なのである。
本作とて、小説らしい創り過ぎはあるとしても、これ読んでまうと、
NHK大河なんかはバカらしくて見られない状態になってしまうのではないかな。
連作ゆえ、収録作品全話講評逝ってみようか!!!
・「宇喜多の捨て嫁」
実はダイレクトにタイトルに相応する内容なのは冒頭に収録された本作のみ、
宿敵後藤家に嫁入り(政略結婚)する直家の四女於葉の波瀾の半生が一気呵成
に描かれ、そこから後に続く物語となるという面白い構成。
・「夢想の抜刀術」
前収録作から、一転、主人公は八郎少年(誰あろう、この人物こそ後の・・)
一人称(「俺」)の語りとしたのが、凝っていて面白い。
基本、武家ものでありながら、タイトルからも伺われるとおり、往年のシバレンが書きそうな剣豪譚の趣がある一編に仕上がっている。

353 :書斎魔神 ◆BVdqSIZJw0RM :2016/06/12(日) 20:35:43.64 ID:IvEvilB8.net
・「貝あわせ」
このタイトルからエロを想像すると外される(w
当時存した室内ゲームの事なんである。
本作は、直家の主君である浦上宗景をメーンにしたピカレスク、
直家はむしろ妻を自害に追い込まれた被害者的ポジションにある。
多角的視点の面白さ、ここに有りという感あり。
・「ぐひんの鼻」
ゴルゴ13かお(w な終盤の展開が創り過ぎなからも楽しめる一編。
・「松之丞の一太刀」
冒頭の残酷過ぎる犬追物のシーンに名作「カムイ伝」のそれを想起して
しまうのは俺だけではあるまい。
戦国の世とはいえ、とにかく、愛妻家な松之丞憐れな作だが、
「アッー!」な宇喜多家の美形刺客(剛介)がクローズアップされる。
(ただし、嫌な奴的にだが)
・「五逆の鼓」
最後に来て、戦国武将には最も縁遠いような、
この鼓名人なキャラがメーンとは・・・
ラストで「宇喜多の・・・」とリンクしてエンドと相成るわけだが、
このキャラ(の視点)を使ってこそ、客観的、かつ、印象的に物語の最後を
描けたという感もある。

354 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/06/25(土) 09:25:46.97 ID:SDVvuvaE.net
大河内常平「九十九本の妖刀」を読む。
珍本シリーズの1冊と割り切って読めば、案外と、
各収録作品のトンデモ展開を楽しめるのではなかろうか。
大好評につき、久々、収録作品全話講評逝ってみようか!!!
・「九十九本の妖刀」
この作者の代表作であり、映画化もされたらしい。
タイトルから時代小説かと思えば、何と先の大戦後のお話である
まあ、刀の仕上げに女を文字どおり「貫く」とか、猟奇の極みですな。
謎解きの要素は薄く、クライマックスは警官隊と猟奇刀鍛冶集団との激戦、
大アクションへと雪崩込んでゆく。岩手県人がこれ読んで怒らないことを祈る(w
・「安房国住広正」
これは、刀を弓代りにする密室トリックが炸裂する小品だが、
むしろ名刀にまつわる動機面の方に重点が置かれたもの。
普通に面白い。
・「餓鬼の館」
これは戦時中の話であり、主人公は海軍旅団長である。
エログロ展開でゆき、クライマックスは陣屋の地下に巣食う猟奇集団との軍隊
まで動員した大アクションシーンへ・・・
「アビラウンケン!」の呪文には、同じ珍本シリーズの「醗酵人間」以来、
ワロタ。

355 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/06/25(土) 09:26:42.15 ID:SDVvuvaE.net
・「妖刀記」
「餓鬼の館」の海軍旅団長(少佐)は絵に描いたような良識人で
あったが、本作に登場する野々艦長は刀剣キティそのもの
(とても、ののタンとか呼び難いものあり)、
「九十九本の・・」と相通じる猟奇ネタで一気に読ませはする。
・「刀匠」
角川文庫「宝石傑作選集2 地獄に落ちろ!」に収録とあり。
このシリーズ読んでいたのだが、なぜか本作に記憶無し。
意外な展開と真犯人ネタで読ませる作ではある。
・「刀匠忠俊の死」
これはNG作品。燭台についた指紋に無頓着とか(w
・「不吉な刀」
同じ指紋(今度は電灯スイッチ)ネタ使い回し、同様にNGです。
・「死斑の剣」
九十九本・・・と似たネタの作だが、昭和30年代の夜の都会の情景が
ビビッド活写されており、サスペンスフルだ。
そこは良(そこだけかもしれぬが)
・「妖刀流転」
タイトルからは陰惨な展開を想起するが、何と警察が妖刀の行方を追う
という異色展開。一応、意外な犯人設定もあって、きちんと合理的な解決が
なされる。わりと紙数がある短編であり、この作家はSSの如き短いものでは、
持ち味を発揮し難い人のようである。
・「なまずの肌」
これも意外な犯人設定でわりと短く纏められている。

356 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/07/02(土) 15:12:03.29 ID:Xu1+6gmF.net
笹沢左保「セブン殺人事件」を読む。
単行本刊行時に「セブンってウルトラセブン?、
笹沢左保がそんなの書くわけないか(w 」とくだらない感想を抱き、
そのままパラパラと見てスルーしてしまった。
今回、堂々の文庫再刊である。
いわゆるバディもの。ありがちな所轄と本庁の凸凹コンビが探偵役だが、
淀橋署の宮本部長刑事、本庁の佐々木警部補共に対照的な個性派キャラであり、
映像化されなかったのが不思議である。
(武蔵&小次郎を意識したお遊びなのは作中でも明示されている)
浮ついたお笑いに走りがちな近年のバディものと比較すると、
個々の出来栄えはともかくとして、
それなりに謎解きミステリの趣向があり、落ち着いた語り口は良ではある。
収録作品全話講評逝ってみようか!!!
・「日本刀殺人事件」
これは普通に読んでれば、普通に真相が見えて来る話ではある。
第1話ながら、宮本と佐々木の出会いエピとかではなく、
既に既知のコンビという設定。本作は宮本の完勝。
・「日曜日殺人事件」
喫茶店での錯覚を利用したトリック(とまで言えるかどうかも疑問)は、
意外にリアルなのかもしれぬが、やはりミステリとしては疑問。
今回は、過去の経緯もあって宮本が迷走、佐々木の完勝。
・「美容師殺人事件」
剛速球で殺せネタとでも言い得ようか。
これはかなり面白いシュチュエーションであった。
普通に宮本の完勝。

357 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/07/02(土) 15:12:47.64 ID:Xu1+6gmF.net
・「結婚式殺人事件」
人間消失ネタかと期待したのだが・・・
父子関係の人情話に堕してしまうのががっかり。
いたいけな幼女まで惨殺されてしまうのが、いかにも70年代
テーストではある。
・「山百合殺人事件」
まあ、当時まではこんなJKネタはショッカー足り得たんでしょうな。
今ならありがち、先を読んでいたとも言えるが。
・「用心棒殺人事件」
殺人トリック(ぶら下がりロープ)は、かなりアクロバティックで面白い。
ドラマ的には奇妙な悲劇とでも言うか。
・「放火魔殺人事件」
掉尾を飾る作だが、完全鬱エンド。
不細工ヒッキー気味男(仕事はしている)と病弱な女子のふとした接点が・・
というお話。

358 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/07/09(土) 16:24:01.10 ID:8pQ4PGNd.net
「飛鳥高探偵小説選T」を読む。
早速、大好評な収録作品全話講評逝ってみようか!!!
『創作篇』
・「犯罪の場」
うーん、東大出の工学博士にして、プロのエンジニアが書いただけあって、
この機械的トリック(振子ネタ)、正直言うて凝り過ぎでわかり難い。
・「孤独」
金庫の比重を利用したトリックはそれなりに面白いが、
まあ、それだけの作とも言い得る。
・「白馬の怪」
この作者には異色と言えるコテコテな怪奇探偵小説。
首の無い馬のトリックは笑うしかないものだし、
殺人トリック(というか工作)は、あまりに無理な展開である。
・「火の山」
人間消失トリック、これに探偵イコール犯人技。
火の山こと浅間山の高原を背景にしたのは良いのだが、
やや展開がたるいのが難。
・「雲と屍」
「火の山」の人間消失トリックを一捻り、密室殺人もあるがこれは
機械的で御都合主義に過ぎる感あり。

359 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/07/09(土) 16:24:32.44 ID:8pQ4PGNd.net
・「兄弟」
果たして真相は?という興を残す小品だが、トリックは名探偵コナンレベル
と言えばその出来はわかろう。
・「放射能魔」
SFミステリ(放射能ピストル(w )かと思いきや、そこはエンジニアの手になるものらしく、探知困難な偶然の放射能漏れという真相。
・「疑惑の夜」
作者の建築に関する蘊蓄を使った倒叙スタイルのサスペンスに始まり、
ハードボイルドまがいの行動力を有するヒロインの登場、
人間消失、密室殺人をまじえ、カーアクション、銃撃戦まであって
最後のドンデン返しへ。盛り沢山な内容ながら、トリックも他愛も無い
ものだし、いろいろ詰め込み過ぎて、どれも今ひとつ感大な作であった。
乱歩賞候補になるものの、「猫は・・・・・」に敗れたのは当然かと。
久々の再刊というも納得である。
『評論・随筆篇』
格別な感は無し。
この人、大乱歩のリアルお隣さんだったんだと思うたぐらいかな。
理科系高学歴で実務における専門分野の実績もある人ゆえ、
ミステリ作家専業にならなかったのは正解だったのではないかな。
本人もこの辺が良くわかっているような。

360 :名無しのオプ:2016/07/10(日) 23:07:14.73 ID:WnsCBnvd.net
テンプレ中の>>2
http://www.monazilla.org/
は現在「2ちゃんねる浪人」の案内につながるように変わってしまっています。
次からはここは除外した方が良いかと思われます。

361 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/07/16(土) 19:12:52.17 ID:swhHJNzQ.net
「大河内常平探偵小説選T」を読む。
前記した「九十九本の妖刀」が意外に楽しめたゆえ、
この人の刀剣ネタ以外のミステリを読んでみたくなった。
収録作品全話講評逝ってみょうか!!!
『創作篇』
・「夜光る顔」
連作短編集。収録作品全話講評逝ってみようか!!!
(地底の墓標)
こ第1作を読む限りでは、起承転結を外したしょーもないシリーズ
なのではないかと懸念したが、次作以降は意外に謎解きミステリしてゆく。
(姿なき犯罪)
電気鞭ネタとは意外に面白い。作者が好きなのであろう競馬ネタもリアル。
(脱獄囚と宝石)
冒頭の御都合主義展開が惜しいが、宝石の隠し場所(人体)がある意味
トンデモで面白い。
(消えた死体)
タイトルから期待させるほどの不可能興味は無いものの、
死体の偽装から真の死体へというトリック、ちゅーか、展開には面白さがある。
(海底の金塊)
この作者十八番の刀剣ネタまで投入したコテコテの怪奇探偵小説。
金塊の隠し場所のトリックもスケール感あり。

362 :書斎魔神 ◆Faci8xkPLw :2016/07/16(土) 19:14:11.21 ID:swhHJNzQ.net
(よごれた天使)
前作とは一転、戦後の基地の町立川を舞台にした通俗社会派ミステリ風作品、
キャリアから思えば、作者が詳しいであろう進駐軍ネタ、
間抜けなゴルゴ13風味の遠隔射撃トリックもアホ過ぎて逆に楽しめるもの
あり。
・「25時の妖精」
何気に江戸川乱歩通俗長編風の作だが、人体改造のエログロさのみ目立ち、
ミステリとしての興は薄味。天才のはずなのに妖怪博士の最後が間抜け
過ぎる、水圧でドカーン!とか・・・専攻は異なっても科学者でしょうが(w
・「蛙夫人」
タイトルから何となく、ユーモラスな内容を期待すると大きく外される。
岡本綺堂こと狂綺堂が書く探偵譚のようなテーストの小品であった。
セルフタイマーねたのトリック(というか機械的なものではなく、
殺人に至る小道具に過ぎぬ扱いだが)あり、事件の舞台となる田園地帯の描写も
雰囲気たっぷりに描かれており、意外に面白く読める作であった。
どう見ても本格派ではないこの作者、刀剣もの以外ではこの方向性が
合っていたのではないかな?
・「ムー大陸の笛」
代表作と言われる作だが、
呪いの笛の正体は、仮死状態にある毒蛇でした・・・とは(w
無関係者なのに惨死した音楽家が気の毒過ぎ。
『評論・随筆篇』
格別な感無し。
作者がGHQで歩哨のバイトをしてるところに大乱歩がふらっと訪ねて
来るエピが面白かったぐらいか。

363 :名無しのオプ:2017/03/18(土) 02:19:35.88 ID:55lawLrM.net
「殺戮にいたる病」
グロいと謳われてて、どれ程かと躊躇いながら読んでたけど、大した事が無くて拍子抜けした。

364 :名無しのオプ:2017/06/24(土) 01:40:22.59 ID:Oa6DhvN4.net
「不連続殺人事件」坂口安吾
登場人物が多すぎて最初は読むのに時間がかかるが
登場人物は個性派ぞろいだし次々と死んでいくのでそういった事は気にならずに読み進む事ができる

話は割と淡々としていて盛り上がりに欠けるのだが、登場人物が変人ばかりであり
キャラの個性で読ませてくれる

ミステリーとしてはオーソドックスな作りで当時としては斬新であったのかもしれないが今読むと真相を看破しやすい
だが伏線の張り方は上手く探偵である巨勢博士の語る真相には唸らされるものがあった

365 :名無しのオプ:2017/12/26(火) 21:25:10.01 ID:moHAbFHG.net
☆ 私たち日本人の、日本国憲法を改正しましょう。現在、
衆議員と参議院の両院で、改憲議員が3分の2を超えております。
『憲法改正国民投票法』、でググってみてください。国会の発議は
すでに可能です。平和は勝ち取るものです。お願い致します。☆☆

366 ::2019/10/16(Wed) 23:50:40 ID:J5S80Loo.net
『絞首商會』
設定や世界観は面白かった だけ

367 :名無しのオプ:2019/10/31(木) 06:24:00.65 ID:W1m+oDsj.net
ハサミ男 読みました

あまり乗り込めなかった
叙述だとロートレックとかの方が好きかな

あとは医師が魅力ないよねぇ 知性が

レクターとかはやっぱ魅力あるわ

368 :名無しのオプ:2019/10/31(木) 06:24:32.41 ID:W1m+oDsj.net
>>363
だいぶ忘れたが、ハサミ男より面白かったな

369 :名無しのオプ:2020/02/24(月) 19:40:33 ID:LCAp9kHy.net
深木章子『欺瞞の殺意』
他にも同作家のあれこれを読んだ後なのであんまり驚きはなかった

370 :名無しのオプ:2020/09/18(金) 18:31:09.06 ID:BmZ8E2e4.net
https://i.imgur.com/F4KBTFG.jpg

371 :名無しのオプ:2021/11/07(日) 23:15:54.79 ID:cP36c+YV.net
『竹林の七探偵』 田中啓文

古代中国の三国時代を舞台にしたミステリー作品。
有名な竹林の七賢≠ェ仲間内で謎を出し合って談義をする形式で謎を解くミステリー作品。
舞台が舞台だけにある程度、中国史に対しての知識がないと楽しめない作品なのでそこは要注意。

6作の連作短編集となっていて、その中では『老子はどこへ行った?』が白眉だろう。
古代中国の歴史ものである要素が一番上手く噛み合ったミステリー短編になっていてると思う。
逆にこれは…となったのが『竹に虎』。
歴史ものとしてもミステリーとしても何じゃそりゃwwな短編で呆れつつ笑わせてもらった。

372 :名無しのオプ:2021/11/21(日) 19:44:44.95 ID:KS3w/K1r.net
「官邸襲撃」高嶋哲夫
派手にドンパチやってるけど緊迫感がまったく感じられなかった。
そもそも、官邸に大量の武器弾薬があんなに簡単に搬入できるの?

373 :名無しのオプ:2022/03/07(月) 12:27:23.48 ID:Gw4iikGd.net
過去スレお願いします

374 :名無しのオプ:2022/08/17(水) 22:32:03.26 ID:7WwT6yMZ.net
タレーランの最新作を読んだが主人公がいつもながら不誠実でヒロインに隠し事してばかりでイラッとした
連作でこんなにもヒロインに不実な主人公って珍しいのでは

375 :名無しのオプ:2024/03/10(日) 21:19:50.39 ID:bIN5LsJK.net
木々高太郎『人生の阿呆』読みオワタ
ふーむ、これが探偵小説=文学論の実践かあ

376 :名無しのオプ:2024/03/15(金) 00:55:50.44 ID:b92RN+6x.net
逆転美人
おもしろギミック良いね
追記でもう一捻りあったらもっとよかったな

377 :名無しのオプ:2024/03/18(月) 08:23:14.80 ID:LdIQ3a3C.net
仮面幻双曲読了。
これ一種の特殊設定だろ。そうでなければ、時代設定があるとしても無理筋。

378 :名無しのオプ:2024/04/18(木) 23:49:32.80 ID:fVUbtoRa.net
「中野森高校文芸部のホームズ&ワトソン」読了。
星海社FICTIONSというライトノベルレーベルから出ているもの。
同人ネタがふんだんにあるところ、ごく当たり前のように女の子同士でキスする百合シチュエーションが描かれているところ、
こういった内容から、作者のオタク度が分かるな。
肝心のミステリ的側面も、十分な出来映え。論理による謎解きに不自然さは無く、こなれたものだった。
年末の「本格ミステリベスト10」ですら話題に挙がっていないのが不思議なくらい。

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