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都筑道夫・4

530 :五幌 玲於奈:2014/04/12(土) 14:27:13.17 ID:46VMenoR.net
私は子供の頃にカーでミステリに入り、カーのようなモノをミステリと思って
育った口なので、ものすごく狭いミステリ観をもって今に至っているのですが、
それでも都筑さんの「トリックよりロジック」、その系譜の一つである「日常の謎」
作品群には、それまで色々な作品には感じていた違和感を受けずに済んでいました。
それはやはり、カーを読む中で得られた感覚でもあったからです。

たまたま創元の系列で、「皇帝」「帽子」そして「白い僧院」などを読んでいたことも
あったのでしょうが、「白い僧院」の密室状況(足跡のない殺人)に対して、探偵役が
「どうして密室になってしまったのか」ということにこの事件の問題の核があると言い
「警察を愚弄する目的だけであれこれトリックを弄するのはキ印だけだ」
と後々まで記憶に残る名言を聞かせてくれました。

「帽子」「白い僧院」「連続殺人事件」などいくつものカー作品にうかがえるのは、
・ 直接犯罪に手を染めないような人間は派手な計画を立てたがるけれど
 実際に手を下さなければならない人間は難しいことは考えたがらない
・ 不可解で超自然的に見える犯罪の様相は、「犯人」が意図したものではなく、
 偶然や第三者の糸が絡んで出来あがった偶発的なものであることが多い

というものでした。したがって探偵の解き明かす解決も
「一見奇怪に見える犯行が、ごく自然な行動をしようとしていた犯人ら関係者の
どういう考えや行動によって引き起こされてしまったのか」
という筋道の解説になっていました。

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