ひじきのとなかまたち Part23

名無しさん＠また挑戦

>>277 続き　※絵露有無：無　

あの細い身体からは想像もつかないが、
KINOは3回も出産を経験しているのだ。。。
そんなKINOの声はとても明るかった。
“もしもし、干し野さん！！どうされましたか？”
「きのこちゃ…KINO！！
　この前は『〇ブスク堂』に出てくれて、どうもありがとう！
　まさか出てくれると思わなかったから、とても嬉しかったよ！！」
“干し野さん、それはこちらのセリフです！！
　『サ〇スク堂』に呼んでくださり、どうもありがとうございました。
　来週はどんな内容が放送されるのでしょうね？”
「そうだね！！ノーカットでの放送を要望する声も届いているみたい！！
　とっても嬉しい限りだよ！！
　だからね…僕はこのせっかくできたご縁を大切にしていきたいと考えているんだ」
“えぇっ！？それってつまり…”
「また、今後とも共演する機会があったら嬉しいなぁと…
　まだ全然何も決まっていないんだけどね！！
　僕のファンでいてくれているってことだし、これも何かのきっかけとして…」
僕がここまで言うと、電話口ですすり泣く声が聞こえた。
「えぇっ？僕、なにかKINOに失礼なこと言った？」
僕が慌ててKINOに尋ねると、KINOは
“嬉しいんです…本当に今後、どうやってヌケート人生を歩んでいこうとか…
　不安しかなかったけど、こうやって『心の闇』とか『孤独感』とか
　そういうマイナスなモノも共有できる方とつながれることができて…
　それも…大ファンの『推し』の方にこんなことおっしゃっていただけるなんて…”
と言ってくれた。
僕は口約束ではあるものの、KINOと次の仕事の約束をすることができた。
電話はまた旦那さんに変わった。
“僕のワイフをラジオで『超真面目で、いいやつ』って言ってくださって
　ありがとうございました。ワイフが飛び上がって喜んでおりました！！”
そう言って、KINOご夫婦との会話は終わった。
旦那さんが終始、KINOのことを「ワイフ」と呼んでいたのが気になったが、
一回だけ「きの」と呼んでいた。
もしかしたら、奥さんがモテモテ過ぎて『きのは“僕の”ワイフだ！』と
釘を刺しておきたいのかもしれない。
僕も妻の画ッ気ーがいまだに男からモテモテだから、
気持ちは痛いほど分かる。
お互いにモテモテな妻を持つ男同士、
KINOの旦那さん（ひじきさん…だっけ？）と
酒を呑みかわし、苦労を語り合うのも悪くはないかもしれないなと思った夜だった。

―完―