年上の彼女

たま

「はいこれ！　お祝いね！！　　そしてこっちは、友人のあおい！！」

どこで買ったのか得体の知れないヘンテコリンな銅像を僕に押し付けながら
前の会社で一緒だったＳ氏がカウンターに座りながら隣の女性を紹介する。

「どーも、はじめまして！！」
控え目の色合いのカーディガンがとても良く似合っている小柄な女性がすぐ後ろで立っていた。
そして、吸い込まれてしまいそうな程の素敵な笑顔で、首を傾けた。

店のオープン前の一週間は準備で、ほとんど寝むれずに、栄養ドリンクを飲みまくってた僕の疲れは、
どうやらこの笑顔と一緒に何処かの遠い国まで飛んでいってしまったようだ・・・。

７つ年上の坂本さんの友達ってことは、彼女は多分３９歳ぐらいだろう。

しかしおよそ４０歳の手前には見えない程、彼女の肌は白く透き通っていた。

細くスラっと伸びた華奢な手足は、それだけで美しい物語が成立してしまいそうなくらい、
とても魅力的だった。

顔は小さく、その為なのか、普通より大きめの、くりっとした目は余計に大きく見える。　
まるでそれだけが独立した生き物のように見え、彼女と目が合うたびに僕の心の中の柔らかい部分を優しく、
そして時に激しくノックした・・。