宮本顕治だが、質問はあるか？

革命的名無しさん

「俺には出来ん」宮本は叫んだ。
静かに小畑は説得するように言った。
「宮本同志、その針金で私を縛ることがどうしてできないんですか？
今この国の労働者がどれぐらい苦しんでいるのか同志は知っているはずだ。
あなたの苦しみはそれよりも深いというのですか？
私の苦しみがそれほど深いと思うのですか？」
宮本は小畑の革命に対する強烈な信念を同じ志を持つ者として否定できなかった。
宮本は泣きながら、自らの感情に逆らいながら小畑の求めるままに彼に暴力を振るった。

さんざん暴力を振るわれた小畑は弱弱しく低い声で宮本に言った。
「宮本同志、私の首を絞めてください。
私は死ぬでしょう。
でも、そのことで戦後にあなたはよみがえることができるのです。
今の日本は長くは続かないでしょう。
その時に宮本同志の指導力が必要になるのです。
宮本同志は私とこの国の国民とどっちが大切なのですか？
さぁ、私の首を絞めてください。
あなたはきっとこの国で指導力を発揮するはずです。
でも今はあなたは安全なところに非難する必要があるのです」

「俺には出来ない。仲間を裏切るようなまねだけは出来ない」
宮本は叫んだだろう。

小畑は悲しい思いを隠しながら宮本の目の前で自らの首を絞めた。
それは自らの体にキリを突き刺したり、自らの頭を斧で叩いたりするよりはよほど簡単だった。

誰か小畑の革命性新を否定できるものがいるか？
誰か宮本が人殺しだって言えるものがいるか？

革命は情熱の中で手段を飲み込むんだよ。
それが革命だ。