別れようってほどじゃないけど恋人に引いた瞬間156

恋人は名無しさん

何年かに一度、内臓の病気で入院していた彼
「退屈だから手ぶらでいいから見舞いにきて」と言われ、
食べ物を持っていくこともできないから、
ベッドの枠にくくっておけるようなぬいぐるみを持っていった。
（ちなみに当時私が高2、彼が就職浪人中の23歳）
そのぬいぐるみは、同室の患者さんや看護師さんたちにも好評だったらしい。

ある日、美人の看護師さんと彼が話しているところに顔を出したら、
既に用（検温とか）は済んで、雑談中だった。
入院歴がちょこちょこあったから、その人とはもともと顔見知りだったらしい。
「持ってきた本全部読んだし、退屈しちゃって～」と彼が言ったので、
話の流れに乗ったつもりで、「とりあえずこの子と遊んでやってよ」とぬいぐるみを突いた。
その場は看護師さんも声をたてて笑い、和やかな感じになった。

……と思っていたのに、退院後何かにつけて、
「あのとき看護師さんに嫉妬して話に割り込んできたよね」
「嫉妬とか、やっぱり子どもだね」「大体、見舞いにぬいぐるみって（笑）」
と、そのときの状況をからかい口調で話題として出すようになった。
最初は「確かに美人だからちょっとはね」とか、
「割り込んだわけじゃないんだけど」と反論・反応していたが、
だんだん「そのネタ飽きたからもう振るな」という心境になってきた。

その後少し付き合って「受験で忙しくなるから」と別れることになったが、
別れ話のときも飛び出したぬいぐるみネタ。
「あんなお見舞いもらったの初めてで嬉しかったけど、照れちゃって」
もういいっつーの。

ちなみに「うめ吉」という犬のぬいぐるみでした。
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