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ワイが文章をちょっと詳しく評価する![51]

1 :ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE :2015/05/08(金) 02:35:46.63 .net
点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!

ここまでの最高得点79点!(`・ω・´)

前スレ
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/bun/1425799875/

766 :名無し物書き@推敲中?:2015/06/26(金) 15:34:06.00 .net
太郎君と博士のなるほど手術室
というタイトルがつきそうなほど教材化してしまって面白くなかったんですけど
投稿が無いようなので。

 美世は毎週楽しみに見ている医療ドラマの3話目を見終えた。最初は興味無さそうに見ていた雛子もそれなりの目線で楽しめたようだった。
「なあなあ姉さん、姉さんもあんなん言いよったん?」
「ん?どんなの?」
 美世は姿勢を正してキリリと顔を引き締めながら言った。
「ただいまより山田太郎さん52歳の肝臓癌摘出手術を行います」
 そう言ってから姿勢を崩しながら前のめりに聞いた。
「的な?」
 雛子はため息混じりに笑って脱力した。
「言わないよ、普通にみんな患者のデータは頭に叩き込んでるから、でもこれからやるぞって勇ましいし演出としてはアリじゃないかな」
「え〜ほなホンマはなんていうん」
 口に持って行ったスナック菓子をぴたりと止めた雛子が、斜め上に視線を向けながら考え込んだ。
「ん〜、麻酔医の先生をチラっと見て『いいですか?』かな?麻酔医が頷いたら『それじゃ皆さんよろしくお願いします』それにみんなも答える感じ」
 思っていたような答えが帰ってこず少し膨れた美世だったが、再びわくわくするような顔をして聞いた。
「その後にメスって言うん?」
「うん、でも助手の先生と話してる時でも手を出したら出てくるし、必ず言ってるわけじゃないよ、メスの前にサージカルマーカーで線引く時はペンって言うけど」
「えー」
「熟練したオペ室ナースなら術野を見ながら施術の進行に合わせて器械出してくるからね、逆に食い気味なぐらいに、このドラマのナースは初心者に見えちゃうね
ハサミの事をクーパーとかメッツェンとか医者に言わせちゃってるし」
「ほんだらなんていうん」
「いやだからハサミっていうの、用途でタイプが違うけどそこはナースが判断してくれるよ、思ったのと違うのが出てくれば長い方とかスーパーとか言うけど
熟練した人は場面によって必要なのを的確に判断するし先生ごとに微妙な癖を記憶しててほぼ言わせないね」
「なんかおもんない」
「そんな事言われても」
 美世はなんとか理想のオペ風景を引き出そうと続けた。
「やっぱり術中は緊迫した空気なん」

767 :名無し物書き@推敲中?:2015/06/26(金) 15:35:32.01 .net
「緊迫?いや緊迫するのはバイタルが急変した時とか原因不明の出血とかだね、予定通りに進んでれば何の問題も無いし、好みのチャンネルで音楽聴きながらやってるよ」
「音楽流れとんの!」
「うん、有線であらかじめナースが私の好みのチャンネルにしといてくれる」
「意外と和やかなんやなぁ」
「そうだね、それにドラマみたいに執刀医のスタンドプレーじゃないから助手の先生と会話しながらやるよ、
思ったより病変でかいね、とかちょっとその手邪魔とか、こっちから切るよ〜そこ持ち上げてとか言うし、あと閉じに入ったら世間話したりね
何々先生娘さんが小学校に上がったそうですねーとか、新しくできたお店もう行きましたか?とか、ナースも入ってきてワイワイなる時もあるよ
オペ終わってもドラマみたいにやり切った顔もしないし後閉じといてねって言いながら去っていく先生もいるよ」
 再び美世が不満そうな顔をした。
「ふむー、あの後ろにおる看護師は何してんの?」
「外回りだね、不潔野担当」
「不潔なん?!」
「うん、術野と器械触る人意外は不潔、役割が違うの、美世ちゃんのイメージなら多分汗拭く人かな、外回りは臨機応変さがいるし機材と患者の様子を同時に見ないといけないから
ベテランにやって欲しい所だな、使った薬液やガーゼを帳面につけたりと一番忙しいしあんなにボケっと突っ立ってたりしないよ」
「大役やのに不潔か、哀れやなぁ」
「聞こえは悪いけどただのポジション名だよ、清潔の人でもなんかの事故で不潔になったら申告するし、私不潔になりましたーって」
「シュールやなぁ、事故ってなんやねん」
「地上70p以下まで手を下げてしまったり、不潔屋に触れてしまったりかな」
「潔癖症の人もびっくりやで」
「手が必要な時はまた滅菌からやり直してもらうけどその必要がなければそのまま外回り手伝ってもらったりする、でも器械出しが不潔になってしまったら
助手の先生に器械出しやってもらってる間にもう一回滅菌してもらうよ」
「やっぱり現実といろいろ違うんやなあ」
「一番非現実的なのはあんなにカッコいい医師は居ない事だよ、キモいの多いし、術着の下から胸毛はみ出てる先生いたり」
 雛子はケラケラと笑ったが、美世が眉間に皺を寄せて恐る恐る聞いた。
「あの服の下どないなっとん?」

768 :名無し物書き@推敲中?:2015/06/26(金) 15:36:49.96 .net
「一番外に着てるのがガウンなんだけどその下にシャツ、その下はなにも着てない」
「姉さんも?!」
「いや私はブラしてるよ、他の女の先生は知らないけど」
「ですよねー、外に突っ込み所あった?」
「ん〜、主人公が右利きなのに左利きの位置に立ってたな、まあその方が得意な医師も居るかもしれないけど私は見た事ないな、カメラアングルのせいかな」
「油断できんなー、全国の医者から総突っ込み入ってたんかなー、ちょっと今度姉さん突っ込みながら見てみて」
「やだよ、そんな無粋な事したくないしドラマとしてはそれなりに面白いし、見た事ない新製品も主人公が使ってたよ、おおかっけーっと思ったね」
「もったいない、そんな突っ込み所多いのに野放しにしとくやなんて許されへん事やで、ウチなら突っ込みすぎて隣の人の肩が壊れてまうで」
「どこに突っ込んでんのよ、とんだとばっちりだよ」

 ある日鷹山が部屋に戻ると、ソファーに並んでテレビを見ていた美世と雛子だが、突然雛子が美世の肩を手の甲ではたいた。
「なんでやねん」
 すると美世が待ってましたといわんばかりに笑顔で雛子に顔を向けた。
「今のは今のは?」
「手袋のつけかたがなってない、素手でギューパチンて勢いあるけどあれじゃ無菌操作終了だよ、滅菌袋を開いたらまず手袋の内側をつまんで…」
 テレビを見ながら何やら美世にレクチャーしているようだが二人が何処に向かおうとしているのかわからない。
「…ちなみに私の手袋はロクハン、6.5号ね、誰がどのサイズなのかはナースが暗記しているので私は普段意識してない」
「へぇーへぇーこれは5へぇーやな、続き見よか」
 鷹山は突っ立ったまま無言で見守った。

769 :名無し物書き@推敲中?:2015/06/26(金) 15:37:39.90 .net
「なんでやねん」
「え?え?今のは?」
「出番が来るかもしれない医者が腕を組んでリラックスするのは正解だけど、脇を締めたらだめー」
「脇締めんかったら兄者みたいなってまうがな!」
「はい連続で来た、病変組織を術中迅速病理診断に回したのに手術が続いてるー、一体何の作業をしているのか謎、ここは世間話でもしながら待つ所」
「患者の立場は?!」
「ちょっとだけ開腹放置プレイ、いま私のように優秀な病理専門医が頑張って診断してるから」
 鷹山は我慢しきれなくなって突っ込んだ。
「お前らそんな事言いながら見てて面白いの?」
 雛子が腐った目つきで振り返って即答した。
「全然面白くない」
 美世は満面の笑みで答えた。
「めっさおもろい」
「お前、楽しみ方間違えてるぞ」



「手術室をオペ室って言う人が多い理由はね………しゅじゅちゅしちゅ」

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