【西那須野～京都】二十歳の原点２【高野悦子】

無名草子さん

その後、山登りのサークルに入り、1年ほど普通の大学生活を送る。
恋愛や性にも関心を持ち、眼鏡をかけ、タバコを吸い始め、エロ映画を観に行ったり、
挙げ句の果てには山系サークルの男と酒を飲んで初体験を敢行し、性に目覚める。
そしてまたもや自己嫌悪に陥り、荒れる。安酒レッドで吐き散らす。
性に目覚めた悦子さんは恋愛の対象を学外の社会人に求めたのか、ホテルでバイトを
始める。

そして学内が騒々しくなると、激しい学内デモとアジ演説に刺激され扇動され、ふら
っと今度は民青系と対立する全共闘系のデモの中に入ってしまい、学内外の激しい運
動に参加するようになっていく。
当時のフル装備の何百人もの機動隊のの写真を見ると、中途半端な気持ちではデモに
参加することなんてできなかっただろう、とても勇気のいることだっただろう。
恐怖感を超えて参加する動機や覚悟があった。

全共闘運動は彼女にとっては二度目の学生運動であり、一度挫折しているが上に彼女
を深く強く運動にのめり込ませることになった。
岡本さんによれば、真面目な人ほど深みに嵌まっていったという。
同じく岡本さんによれば、もう多くの人が運動から離れていき始めた頃にも悦子さんは
最前列にいたという。
二度目、遅れてやってきた悦子さんはある意味で周回遅れで周囲が見えていなかった。
それほどまでに熱狂していた。