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2ch厨房が新書等のベスト 5冊目

488 :無名草子さん:2012/05/05(土) 19:39:45.38 .net
臼杵陽『イスラエル』(岩波新書)。
イスラエル建国前夜から2009年現在までの歴史をたどりながら、多文化社会としての現実と国家統合の理念との鬩ぎ合い及び政治の変遷を描き出している。
ごく単純なイメージとしては「イスラエル=ユダヤ国家」であるが、何世紀も世界中に離散していたユダヤ人が移民してできた国だから、
当然、多文化・多民族で、人種すら多様であり、たとえ同じユダヤ教徒であっても一枚岩とは言えないのである。
またイスラエル国民はユダヤ教徒だけではない。アラブ人ムスリム、ドルーズ教徒、ギリシア正教徒、カトリック教徒もいる。
第一章では、この複雑極まる多文化・多民族社会の現状についての基礎知識が書かれている。
宗教的・政治的な立場も細かく分かれており、さらに社会的・経済的な階層性もあって、一読しただけではとても把握しきれないし、要約も不可能。
宗教と政治の関係もなかなか複雑。たとえば「超正統派」と呼ばれる最も厳格なユダヤ教徒は国から特別扱いされているが、
これは国家が宗教の上位に立つことを許さないので、シオニズムとは対立する。
第二章ではシオニズムの歴史をたどる。このシオニズムにも様々な潮流がある。
第三・四章では建国の経緯。第五章では第三次中東戦争と領土拡大。
第六・七章では、テロ・紛争と和平の試みの経緯。政治的には次第に右派が優勢になっていく。

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