【小説家になろう】底辺作者が集うスレ568

この名無しがすごい！

>>514
さしあたって3話まで読みました

他者の応援が実際的な力になるというのはよいアイデアだと思いました。SNSが普及して誰でもバズる可能性のある現代に非常にマッチしているように思います。その能力に気づいて成績の為の応援をもとめて過激な投稿を始めてしまうとか色々面白い話が作れそうな素晴らしい設定ですね。

ただ、この作品ではあまりそれを活かせていないようにも思います。
芸能界からのアイドルや女優というのはかなりファンタジー性の強い話であり、現実性をもたせにくい物語です。基本的に物語に"嘘"は一つというルールがあります。一つまでならどんなにありえない設定でも受け入れられますが、二つ以上は相当の説得力を出さないと受け入れられません。そうした意味ではこの小説は厳しいですね。学生女美人棋士というだけならまだ受け入れられますが、スカウトされて変な能力まであるとなるともう感情移入出来ない超人の他人です。

また物語というよりは設定や状況の説明を繰り返している小説だという印象を受けました。
いわゆるテンプレと呼ばれる小説ではないので置いてけぼりにしないように読者への説明を増やすのは問題ありませんが、そのためか物語性やキャラクターの感情を軽視しているように感じます。
端的に言うと主人公が何を考えているかは分かりますが、共感や同情といった感情移入をしにくい小説です。
例えば二級から五級に落ちた云々とか年下の双子姉妹に抜かれた云々とかを説明してくれていますが、それで主人公は悔しいとか劣等感という感情を抱いたのだろうなという理解は得られても、同情や共感はされません。他人事な上に昔の話だからです。
もし「参りました」と自分より格下の相手に頭を下げるシーンを描写されていたら、感情移入していたかもしれません。

さらに主人公が状況に流されているだけで何ら選択をしていないのもよろしくありませんね。主人公のキャラクター性をイマイチ掴めない。
例えばスカウトされたらどんな反応をするでしょう。怪しいと思ってすぐ立ち去るとか、褒められて有頂天になるとか色々考えられますね。
何も反応を描写せずに、これこれこういう過去がありましたので普段は流していましたが、こういう事情なので受けましたと説明されても、なぜそんな行動を取ったのかは理解できても感情移入するといった興味は抱けません。

マイナージャンルなので大変でしょうがこれからも頑張ってください。