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ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【223】
- 280 :この名無しがすごい! :2021/07/17(土) 14:45:00.77 ID:YF8HHVdB0.net
- >>251の続き
「豚さん、ごめん!」
私はギュッと目をつぶり、トンカチを振り下ろした。
ボコッ!
鈍い音がした。ガチャ―ン!ではなく。
恐る恐る眼を開くと、そこには頭から真っ赤な血と白っぽいドロリとした何かをはみ出させた小さな豚の死体が。
「ギャーッ!」
私は血まみれのトンカチを放り出し、両手で顔を押さえてうずくまった。
「姉ちゃん、どうした!」
ケンジが部屋に飛び込んできた。
「豚さんが! 豚さんが!」
「豚さん? うわーっすげー、百円玉の山だ。これ一体いくらあんの?」
「えっ?」
百円玉? 顔を上げると、そこにあったのは血まみれの豚ではなく、割れた貯金箱と散乱した百円玉。
錯覚だったのか。それにしても……。
「ねえ、姉ちゃん。こんなにあるなら少しちょうだいよ」
ケンジがしゃがみ込んで手を伸ばそうとする。
「ダメよ、欲しいものを我慢して何年もかかって貯めたんだから! あんたなんかエッチな本買うだけでしょ!」
「ちぇっ、ケチ」
「フンだ」
未練がましそうにこっちを見ている弟をシッシッと外に追いやり、私は硬貨を拾い集めた。
粉々になった貯金箱の破片をより分け、端に寄せて行く。
「豚さん、ごめんね」
すると、ちょうど手に持っていた顔の部分の目玉がギョロリと動き、私を見た。
「絶対に許さない。復讐してやる」
頭の中に声が響いた。
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