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【小説家になろう】底辺作者が集うスレ526

90 :この名無しがすごい! :2020/09/23(水) 01:01:15.29 ID:W+OrqJpM0.net
即興で書き連ねてみる。


「珈琲のお代わりは如何?」

いつも通っているカフェのマスターが尋ねてきた。
歳若いにも関わらず堂に入ったマスターっぷりを見るに、結構長い間、店で仕事をしている様子だった。

「お願いします」

僕は彼女にお代わりを貰う。
いつも僕はこのカフェで3時間くらい、大学のレポートをこなしつつゆったりとした時間を過ごしている。

「どうかしら、進捗は」

彼女の質問に僕は答える。

「捗々しくはないですね。まぁ、週末までには形にしますよ」

そう、と彼女は軽く相槌を打つと、カウンターの奥へ引っ込んでまた何やら仕事に戻る。
僕もそのままレポートの手を再開し、彼女から目を離す。
やおら彼女が僕の目の前にお皿を差し出した。

「……? 何ですか、これは」

「おや、見てわからないかい? ケーキだよ、チョコレートの。好きじゃないかい?」

好きか嫌いかで言えば、僕の好みは苺ショートなどの生クリーム系だが、別にチョコケーキも嫌いじゃない。
特に僕の好きなブラック・コーヒーとの相性が良い。

「頂きます……注文していないですけれど」

「ははは、奢りだよ。日夜レポートを頑張る君へのご褒美だと思いたまえ」

そいつはありがたい。
僕は彼女にお礼を言い、チョコケーキをフォークで軽く切り分けて口へ運ぶ。
ややビターな味わいのそれを味わい、僕はコーヒーと共に飲み込んだ。

「ね、底辺くん」

彼女は僕の名を呼ぶ。

「甘かったかい? それとも、苦かった?」

僕は答える。

「ちょっとだけ、ほろ苦いですね」

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