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安価・お題で短編小説を書こう!8
- 5 :この名無しがすごい!:2020/03/30(月) 13:50:31 ID:ITGnekmf.net
- それでは早速
>>2
使用するお題→『トライアル』『クリスタル』『午前零時』
【洞窟の中の冒険】(1/3)
今日も女ガンマン・シンディは愛馬のサンセットに跨って、自由気ままにさすらいの旅を続けていた。
緑の木々に囲まれた山道を歩いていると、目の前に大きな洞窟が見えてきた。
「どうやらこの洞窟を抜けないと、次の町には行けないみたいね」
少し不安ではあったが、他に遠回りしていく手段を思いつかなかったため、その洞窟の中を通っていくことに決めた。
「サンセット、なるべくゆっくり行くわよ」
サンセットはシンディの言う通りに無闇に走ったりせずに、ランプの灯りを頼りに慎重にゆっくりと進む。
洞窟の中であるため、音を立てて走ったりしてその衝撃で落盤を起こして生き埋めになったりしたらお終いだ。
洞窟に入って10キロほど歩いただろうか。一旦止まって休憩することにした。
「この洞窟、それにしても長いわね。ちゃんと出られるといいんだけど…」
食糧の入った袋からビーフジャーキーを一枚取り出して齧る。
やけに心配しているシンディの姿を見て落ち着かせようとしているのか、サンセットは彼女の顔を優しくペロッと舐める。
「ありがとうサンセット、大丈夫よ」
少しお腹が膨れると、再び歩き始める。洞窟の中というのは冒険心をくすぐられる。
しかし、シンディは父のバイロンを落石事故で失ったことが、今でも忘れられないトラウマとなっている。
いざ落盤でも起こったら逃げ場などどこにも無い。その岩石で覆われ、閉鎖された空間に恐怖心を抱いてしまったようだ。
「(何を恐れてるのよ、私のバカ!洞窟なんて怖くない、怖くない!)」
必死に自分に言い聞かせて落ち着こうとする。しばらく歩いていると、青く綺麗な光が微かに見えてくる。
「もしかして出口?サンセット、こうなったら一気に突っ切るわよ!」
その光のする方に向かって走る…しかし、残念ながらそこは出口ではなかった。
「そ、そんなあ。って、あれ?」
よく辺りを見回すと、そこは青く美しく輝くクリスタルに包まれた空間だった。
その綺麗なクリスタルにシンディはつい心を奪われてしまう。
「すっごく綺麗ね、こんな場所があったなんて信じられない…」
サンセットから降りると、クリスタルに手を触れる。
「こんなにいっぱいあるんだから、ちょっとくらい削って持ち帰ってもいいよね?あ、それに高く売れるかも!」
一瞬、お金のことに目が眩んでしまうシンディ。彼女の金へのがめつさにサンセットは呆れてしまう。
「おい、ここだ!クリスタルルームはここだぞ!」
突然、後ろの方から男らの声が響いてきた。
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