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安価・お題で短編小説を書こう!8

49 :この名無しがすごい!:2020/04/12(日) 21:06:21 ID:1VBXebO5.net
☆お題→『恐竜』『コネクト』『満月』『カブ』『新生活』

「ダイジョーブッ!」

コーヒーメーカーのスイッチを入れる。
カーテンを開け、朝の暖かい日差しに一分間当たる。
洗濯機を回し、掃除機を手に取る。
掃除を終えると、コーヒーをカップに注ぎ、テレビのスイッチを入れる。
後は午前九時頃までテレビを眺め、コーヒーを啜る。
そんな朝木道代の朝は夫の死後も変わることはなかった。

昨年、道代の夫である寿貴が亡くなった。
車で川に転落するという単独の交通事故、即死だった。
警察からの聴取を受けた。
恐らくは自殺や他人の関与という線を考慮していたからだろうと道代は思った。
結局、疑いはなく寿貴の死は事故として処理されて今日、つまり一年後の命日に至る。

インターフォンが鳴った。
珍しいこともあるものだと、道代はインターフォン血備え付けてあるカメラをのぞいた。
「あ、おはようございます。朝早くに申し訳ありません」
そこに映し出されたのは、気弱そうにスーツを着た若い男だった。
「どなた?」
道代の問いに男は刈り上げた頭をかきながら気まずそうに笑う。
「保険調査員の木場、と言います。保険金の関係で本日はお伺いさせていただきました」
道代は短く息を吸い込んだ。

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