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安価・お題で短編小説を書こう!8

477 :この名無しがすごい!:2020/07/12(日) 14:31:39.75 ID:NHMpGEKb.net
 数日後、私は纏と二人でホームビデオを見ることになった。
 お涙頂戴、ドラマや映画でよくあるやつだ。折角だからやってみよう、
どっちかが死にかけてなきゃできない貴重な体験だし、と纏が言い出したのである。
 
「え、まさかビデオカメラ? ノートPCに移してさえないの? ふるっ!」
「しょうがないじゃん骨董品なんだから。昔っから体弱くてロクに撮る機会もなかった

纏が悪い」
「あーひっど! サイテー!」
 
 纏が一人でゲラゲラ笑う前で、私はビデオカメラのセッティングをしていく。
随分と久しぶりに扱うので手間取ったが、何とか再生することができた。

 映っているのは、小さな私と纏の遊ぶ姿だ。
 幼稚園で、二人ともが何だかわからない絵に先生からはなまるを貰ったらしい。
それを二人して、ビデオカメラに一生懸命に見せびらかしていた。

 幼稚園児の頃から一緒に育って、天使ちゃんだのと呼ばれていた纏と私は
いつの間にか仲良くなっていた。奇跡的にもその年頃から暗かった私と、
体が弱い、というより遺伝性の疾患があって特別扱いされていた纏は、
どちらもはぐれものだった。最初はそういう理由だったような気もする。

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