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安価・お題で短編小説を書こう!8

409 :この名無しがすごい!:2020/06/27(土) 14:02:20.54 ID:dDuTx91a.net
>>388
使用するお題→『水飴』『空色』『とげ』『エルフ』

【私の可愛い救世主】(1/3)
※スレ5 251【ブーツ探し】の続編かつ完結編です

眩しくも暖かい太陽の光が降り注ぐ、ある土曜日の朝。
私は今日もお気に入りのジーンズにロングブーツを履いて、町中を散歩していた。
あっ、そういえばまだ自己紹介してなかったのよね。私の名前は紺野サナ。
半年ぐらい前かしら、公園のベンチに座って居眠りしてしまった隙にブーツを脱がされて奪われてしまって、
たまたま出会った探偵を名乗る少年が協力してくれて、無事ブーツを取り戻したことがあったの。
あの少年、ちょっぴり生意気なところはあったけど賢くて良い子だったわ。また会いたいといつも思っている。

「あの子、元気にやっているかしら・・・」

そう考えながら、歩いている時だった。突然足下からベチャッと変な感触が伝わってくる。
恐る恐る目をやると、なんと水飴を踏んでしまっていたのだ。

「最悪ッ!せっかく手入れして綺麗にしたばかりなのに!」

ブーツの靴底は水飴でベトベトになっていた。すると近くにいた一人のおじさんが駆け寄ってきた。

「お嬢さん、大丈夫かい?」

そのおじさん曰く、ここ数日誰かが分からない水飴とか食べかけのアイスといったお菓子を捨て、
それを通りかかった人々がうっかり踏んでしまうトラブルが続発しているとのこと。
監視カメラを数台設置しているのだが、誰かが捨てている瞬間は一切写っていないのだ。
まさか幽霊の仕業か?そう思いながらサナは近くの公園に行き、そこの水道で濡らしたハンカチでブーツについた水飴を拭き取る。

「お菓子を捨てるなんてホント最低!見つけたら捕まえてコテンパンにしてやるわ!」
「あっお姉さん、久しぶりだね!」

突然、背後から聞き覚えのある声がして振り返ってみると、あの探偵を名乗る謎の少年が立っていた。
サナは思わずその少年をギュッと抱き締める。

「久しぶりはこっちのセリフよ!急に姿を消しちゃうんだから!もう、すっごく会いたかった!」
「アハハ、ところでまた何かあったの?」

サナはベンチに座ると、さっきの出来事を全て話す。

「なるほど、そういうことが。というかまたブーツ絡みなんだねアハハ」
「笑い事じゃないわよ。お気に入りのブーツなんだから」
「ごめん、ごめん。唐突でビックリするかもしれないけどサナさん、僕はね実は人間じゃないんだ」
「に、人間じゃないってどういう意味?」
「信じられないかもしれないけど、この際だから全て話すよ」

その少年の名はロートム。この人間界にはびこる悪い魔物をやっつけるために、異世界から派遣されたエルフの探偵なのだ。
よく見てみると、普通の人間と違って若干尖った耳をしていた。

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