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安価・お題で短編小説を書こう!8

365 :この名無しがすごい!:2020/06/17(水) 14:32:28.25 ID:D+wwEigf.net
>>361
使用するお題→『オリガミ』

【必殺斬法"折紙の舞"!】(1/3)

今日もさすらいの女ガンマン・シンディは愛馬のサンセットに跨り、広大な荒野の中を颯爽と駆け抜けていた。

「今頃どうしてるのかな・・・」

最近、ある者のことをよく頭に思い浮かべる。そう、"彼女"だ。最後に会ってからもう早くも1年が経過していた。
しばらく走っていると川のほとりを見つけ、そこで休憩することにする。渇いた喉を冷たい川の水で潤した時、グゥッと腹が鳴る。
すると近くにブドウの実が成った大きな木があるのに気付くが、シンディは一瞬怪しく思う。

「こんな所に都合良くブドウの木があるなんて、まさかね」

とりあえずブドウを掴んで取ろうとした瞬間、"彼女"の気配をすぐに察知する。

「やっぱりね!」
「あらバレちゃったかしら」

そのブドウの木が白い煙に包まれて消えると同時に、あの女サムライが姿を現した。そう、シグレだ。

「あなたと会うなんて1年ぶりね。今まで元気にしていたかしら」
「シグレーーー!!」
「えっ!?」

シンディはいきなりシグレを嬉しそうに思いきり抱き締める。

「シグレ久しぶり!しばらくずっと会えなくて寂しかったんだから!」
「ちょ、ちょっと、く、苦しいから放してくれないかしら・・・」
「あ、ごめんごめん。ねえ一緒に今までの旅の思い出を語り合わない?せっかくなんだからさ」

するとシグレは咄嗟に鞘から刀を取り出し、シンディの顔面に向ける。

「シンディ、あなた何か勘違いしてない?私とあなたはライバル、仲良く馴れ合う関係じゃないのよ」
「うん、分かってるわ。ライバルではあるけど友達でもあるでしょ?」
「友達・・・!」

友達、その言葉にシグレは一瞬心臓にただならぬ鼓動を感じ、動揺してしまう。

「シグレ、どうしたの?お腹でも痛いの?」
「な、何でもないわ!た、ただ目に汗が入って沁みただけよ。それより、せっかく会えたんだから一つ戦っていかない?」
「バトル?いいわね、受けて立つわよ!」

シンディとシグレのバトルが始まった。近くでサンセットが少し心配そうに見ている。

「いい?私はあなたを本気で殺すつもりでいくわよ。今の私には、あなたはか弱い子ウサギにしか見えないわ」
「あら、随分と言ってくれるわねシグレ。でもウサギってすごく恐ろしい生き物なのよ」

シンディは素早くホルスターから銃を取り出し発砲するが、シグレは軽々と回避する。

「まあ、こんなのに簡単に当たるわけないわよね」

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