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安価・お題で短編小説を書こう!8
- 225 :この名無しがすごい!:2020/05/18(月) 14:14:47 ID:SWpNslFV.net
- >>219
使用するお題→『難民』『女言葉』『金物屋』『変形』
【金物屋の美女】(1/3)
さすらいの女ガンマン・シンディは今日も愛馬のサンセットに跨り、広大な荒野の中を颯爽と駆け抜けていた。
途中、川辺を見つけ、そこで休憩することにする。土埃や泥で汚れたサンセットの体を綺麗に洗った後、シンディは草の上に寝そべる。
すると、ふとブーツの拍車を目にやる。その銀色の拍車は、旅に出始めてから長いこと使い込んでいたため所々錆や傷が目立ち、歪に変形していた。
「そろそろ新しいのに変えた方がいいわね。次の町に金物屋はあるかしら?」
とりあえず少し居眠りして体を休ませると、再びサンセットに跨って走り出す。
2時間ほど走っていると、ようやく町に辿り着いた。しかし、その町には人らしい人がおらず、ゴーストタウンと化しているようだ。
「なんか気味が悪いわね。本当に幽霊でも出そう」
しばらく探索していると、金物屋らしき店を見つける。
ラッキー!とシンディは思いつつも、一応扉をノックして確認する。しかし返事は来ない。
扉を開けて、こっそりと金物屋の中に入ってみると、たくさんの金具や器具がビッシリと揃えられていた。
「やけに品揃いの良い店ね」
新品の拍車は無いかと探していると、突然女の声が聞こえてきた。
「誰かいるのかしら?」
その声にビクッとしてシンディは一瞬立ち止まる。するとカウンターの奥から、一人の黒い長髪の美女が姿を現した。
「ゆ、幽霊!?」
「失礼ね、ちゃんと生きてるわよ」
「か、勝手に入って悪かったわ。ノックしても返事が無かったらつい・・・」
「別に気にしなくていいわ。私はこの金物屋の支配人をやってるエリィよ」
「私はシンディ、さすらいの旅を続けるガンマンよ。どうぞよろしく」
エリィと名乗るその女は、8年ほど前にこの町に来て金物屋の営業をスタートしたのだ。
その時は人が多くて賑やかだったのだが、次第に他の町との交流が少なくなると同時に去る者も多くなって廃れていった。
今、この町に住んでいるのは彼女だけなのだ。
「今、まともにあるのはこの店だけね。でも久々に客が来てくれて嬉しいわ、何か欲しい物があったらどれも安くするわ。大サービスよ」
「新しい拍車が欲しいの。長いこと酷使させちゃって、もうボロボロなの」
「それなら良いのがあるわ」
そう言ってエリィが持ってきてくれたのは、金色に美しく光る拍車だった。
「これは天然の黄金を加工して作られた、世界にたった一つしかない特別な純金製の拍車よ」
「こんなに美しい拍車、今までずっと見たことない・・・」
「非常に丈夫で、ちょっとやそっとでは絶対に折れたり傷ついたりしないわ」
「その拍車欲しい!いくらするの?」
「本当は3000ドルはするんだけど、1000ドルにまけるわ」
「よし買った!」
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