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安価・お題で短編小説を書こう!8

147 :この名無しがすごい!:2020/05/03(日) 21:55:15.20 ID:I5IlU/Ra.net
>>123
お題:『ピンクの悪魔』『恋愛頭脳戦』『最終兵器』『レモネード』『銀河最強』

【ぐーたら女神にやらされる異世界生活】(1/3)
「あっの、ピンクの悪魔(女神)め!!」

 坂口 醍醐の口から、思わずそんな愚痴が零れる。
 周囲は見渡す限りの荒野であり、醍醐はそんな荒野を既に5時間近く彷徨っていたからだ。
 醍醐にした所で、好きこのんでこんな所に来た訳では無い。彼は日本から、このレネスティ―の世界に転移させられたのだ。ピンク髪の女神を名乗る者によって。

 ******

「最近、地球ってさ、人口増え過ぎなのよね、他の世界との兼ね合いもあるしさ、バランス管理がピーキーに成っちゃって、面倒くさいのよ」
「は?」

 醍醐の眼前にある、階段の数段上に設えてある板間の敷物の上に“それ”は寝転んで、ストローを咥えていた。
 ピンク色の髪をした、目も覚める様な美人ではあるが、面倒臭そうな表情で透明なカップの飲み物を啜っている様子は、あたかも休日の姉を思わせる姿で、何とも残念この上ない。

「聞いてる? だからさ、ちょっと減らそうと思ってたのにさ、他の女神がうるさいのよ、あのブリッコ、ちょっと男神の受けが良いからって、チョーシに乗り過ぎ」
「いや、ちょっと待って、何の話? ってか君は誰?」
「は? 女神よ、女神。見て分かるでしょう? ひれ伏しなさい、頭が高いわよ」

 不機嫌そうに身を起こした女神は、胡坐をかきながら、どこからともなく取り出したポテトチップスをバリバリと食べる。
 一方の醍醐はと言えば、気が付くとこんな場所にいて、目の前にそんな女性が居たのだ。混乱するし、訳が分からない。

「そもそも、リソースだって有限なの、この間までは植物がバリバリ減ってたからバランスとれてたんだけどさ、エコとかって植林したり、動物の保護とかって言って管理し始めてるじゃない? 流石に他の世界分のリソースが足りなくなってきちゃった訳なのよ」
「いや、だから、何の話?」
「は? 魂よ、魂の数。頭の回転悪くない? さっきっからそう言ってるでしょ?」
「いや、そんな事、ひとっことも言って無いよ!?」
「は? アタシが言ってんだから、即座に理解しなさいよ! 鈍いわねぇ」

 イライラした様子で女神が言う。醍醐は、どうにかこうにか女神の話をすべて聞き、それをまとめると、こう言いう事らしい。

 彼女は複数の世界を管理する女神なのだが、最近の地球は、人口が増えるだけではなく、エコロジーやらなんやらで、動植物の数も増えているのだと言う。
 それだけなら、むしろ良い事なんじゃと、醍醐は思うのだが、しかし、管理している側からすると都合が悪いらしい。
 彼女の管理している全ての世界の合計の魂の量は決まっており、一つの世界だけで生物……動植物や精霊、妖精全てを含めて……が増え過ぎると、他の世界に割り当てるリソースが足りなくなるのである。
 それでも最初は、精霊や妖精やらに割り振っていた魂を人間の方に使っていたので、何とかなっていたらしいのだが、今はそれでも足りなくなっていると言う。

 ただ、それだけなら、世界の発展度を考えて、一時的に他の世界の生き物の総数を減らすだけでも良い、しかし、あまりにも減らしすぎると、次元の狭間から‟良くない物”が入り込んで来るのだとか。
 俗にモンスターとか邪神だとか言われる物がそうらしい。

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