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安価・お題で短編小説を書こう!8

135 :この名無しがすごい!:2020/04/29(水) 20:26:16 ID:Pkh0eJtr.net
>>123
使用するお題→『恋愛頭脳戦』『最終兵器』『レモネード』

【私のせっかちは治らない、でもそれでいい】(1/3)
※スレ5>>880【せっかちなんて百害あって一利なし】の続編かつ完結編です

私の名は白石ホノカ、どこにでもいる普通の高校生。ある朝、私は寝坊して遅刻しかけていた。
昨夜きちんとセットしてあった目覚まし時計が、いつの間にか電池切れを起こしてアラームが鳴らなかったのだ。

「ウワーッ!遅刻だー!」

急いでパジャマから制服に着替え、1階の食卓に向かう。テーブルに置かれたトーストとホットミルクを一気に口に入れる。

「ホノカ、朝食はちゃんとゆっくり食べなさい」
「寝坊したのにゆっくり食べる暇なんてないわよ!お母さんってホントおっとりというか呑気なんだから!」

歯磨きも済ませてバッグを手に取ると、勢いよく外を飛び出して学校へと向かう。

「急がなきゃ!今日は中間テストの日だっていうのに!」

なんとか死に物狂いで走ったため、学校には何とか間に合った。「おはよう!」の挨拶と共に教室に入ったその時、クラスメート達が自分の方を見て笑い始めた。

「な、何?私の顔になんかついてる?」
「白石、足を見てみろよ」
「へっ?」

足下に目を向けてみると、なんとローファーではなく、お母さんのサンダルを履いてきているではないか。
そう、あまりに急いで家を出た為、ちゃんと確認していなかったのだ。ホノカは恥ずかしくなり、顔はトマトのように真っ赤になった。
クラスメートに笑われながら自分の席に着くと、近くにいた一人の男子がからかってきた。

「よう、白石!サンダルを履いて登校とはたまげたぜ」
「う、上田…!」

彼の名は上田ミノル。自分によくちょっかいを出したり、からかってくる変な奴だ。

「お前ってさ、本当にせっかちなところあるよな。人生、もう少しのんびりに行くべきだと俺は思うぜ」
「べ、別にせっかちというわけじゃないわよ!ただ、寝坊して必死だったから…」
「ふーん。まあ、でもお前って面白いよな!」

9時になってチャイムが鳴り、テストが始まった。テストをする中、ホノカはふとミノルのことが頭に浮かんできた。

「(あいつ、やたらと私にちょっかい出してきて…。私のことが好きなのかな・・・ってダメダメ!ホノカ、今はテストに集中しなきゃ!)」

3日間の中間テストが無事に終わり、昼過ぎの下校時間となった。校門を出たその時、ミノルが駆け寄ってきた。

「おーい白石!」
「な、何よ上田。私になんか用?」
「なんか用ってお前、教室出た時に財布落としてったぞ。ほら」

よく見るとバッグが開いているままだ。今日は試験が終わったということで早く家に帰って、
撮り溜めていたドラマを見るため急いで帰宅しようとして急いでいたのだ。その拍子に財布を落としたというわけだ。

「あ、ありがとう上田。そ、その、キツい態度取ってゴメン…」
「別に気にしてねえよ。でも、そのせっかち治した方がいいぜ。それじゃ、気をつけて帰れよ!」

家に帰る途中、ホノカの頭の中にはとにかくミノルのことでいっぱいだった。

「(上田が私のことを好きかもしれない。それに私も上田のことが好きなのかもしれない…)」

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