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安価・お題で短編小説を書こう!8
- 104 :この名無しがすごい!:2020/04/20(月) 20:55:03.33 ID:JRHh2Z5e.net
- >>98
使用するお題→『ハンマー』『ポテトチップス』『邪神』
【姉弟の仁義なきドタバタバトル】(1/3)
ある日のこと、カナミの背後にケンスケがニヤニヤしながら歩み寄ってくる。彼の手にはおもちゃのマジックハンドがあった。
姉は弟が背後にすぐ近くまで迫っているのに気付いていない。まさにその瞬間だった。
「それっ!」
ケンスケはマジックハンドでカナミのポニーテールを掴むと、少し強めにグイッと引っ張った。
「わ、ワワワワッ!!い、一体何なの!?」
「アハハ!」
「ケンスケ!また…!」
ケンスケは時々、マジックハンドを使って姉のポニーテールを掴んで引っ張ったりとイタズラをすることがあるのだ。
「それで髪を掴んで引っ張るのはやめてって、前に何回も言ったでしょ?」
「だ、だってお姉ちゃんのポニーテールって見てたら掴んで引っ張りたくなっちゃうんだ」
「どういう理由よ。まあ今度やったら許さないわよ、分かった?」
「う、うん…」
弟の返事を聞くと、カナミは自分の部屋に戻り、宿題を始める。
「ケンスケったら全くしょうがないんだから。あの頼りない返事からすると、またやるに違いないわね…」
宿題をしながらブツブツと呟いていると、突然いいことを思いついた。
「そうだ!確かあれがあったはず!」
クローゼットを開けて、ある箱を取り出す。その中には幼稚園の頃によく遊んでいたが、今はほとんど使わなくなったおもちゃや小道具が入っていた。
「あった!あった!」
カナミが手にしたのはピコピコハンマーだった。幼稚園の頃、夏祭りに行った時に輪投げの景品で貰った物だ。
「ウフフ、またケンスケが何かしたらこれで…」
ある土曜の午後、カナミはリビングのソファーに寝転んでスヤスヤと気持ち良さそうに昼寝をしていた。
そんな姉にケンスケがニヤニヤしながら音を立てずにゆっくりと近づいてくる。彼の手にはもちろんマジックハンドがあった。
「お姉ちゃんったら本当に無防備だね」
そう言ってマジックハンドで姉のポニーテールを掴もうとしたその時だった。
「引っかかったわね!」
「へっ!?」
カナミはいきなり目を覚ますや否や、背中に隠し持っていたピコピコハンマーでケンスケの頭をポコっと叩く。
突然のハプニングに弟は動揺し、一瞬怯んでしまった。
「ね、寝てたのは演技!?」
「そうよ、まんまと引っかかっちゃって笑えるわね。今度はこっちのターンよ!」
カナミはピコピコハンマーで逃げる弟の頭をポコポコ叩きながら追いかける。
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