【ロリータ】文学板雑談スレ203【ヴァレリア】

(＠∀＠)

>>564
あの善男善女たちに混じって、ひとりだけあの法被を着ずに歩いてると、
心がざわざわし始め、次第に心細くなって、しまいには不安で足が地に
着かなくなります♪私があすこへ初めて行ったのは大昔、十代の頃で、
あの町の性格に関する予備知識なんかは一切無く、ただ石上神宮を見物
しようと思い付いて、ひとり桜井から峠をテクテク歩いて越えて行ったんです。
丘の上から町を眺めて
（おお。平壌みたいだ…。イヤ北朝鮮には興味も無きゃ調べたこともはない。
テキトーに考えてみただけ♪）なんて思いつつ、よせばいいのに一服プカプカ
して、赤い目で微笑みながらノソノソ入城したんです。
街を歩きだしたら、サアびっくりしちゃった。
（これは…何だ？どうしよう…大変な処へ来てしまった…）と思ったけど
もう遅い。気分はもうすっかりボディスナッチャーのサヤ人間だらけの中を
ビクビクしながら歩く地球人状態。見つかったら大変だ…。もし法被軍団の
誰かに見つかって突然指を差されたらどうしよう…と気が気ではありません。
ご飯も食べず写真も撮らず大急ぎで石上神宮をお詣りして、脇目もふらず
速歩きで駅に直行。近鉄電車がホームを発車した瞬間、
「脱出」という詞が頭に浮かびましたね。

いったいインスマウスから脱出した人間というのはどんな心持ちのするものか、
わかるような気がします♪