[白鯨]ハーマン・メルヴィル[バートルビー]
- 395 :吾輩は名無しである:2015/11/09(月) 23:34:50.82 .net
- 俺は>>393じゃないが、メルヴィルが真に野蛮であると感じたのは、
むしろ堕落したキリスト教徒の方だと思う。『白鯨』から引用。
「(……)その山出しの連中は、白人というものは白く洗った黒人以上に
高尚な何ものかとでも思いこんでいるのか」第13章
「人間という生きものが、おのれの灯火油を供給する動物をむさぼり食い、
ことにスタッブのように、そのものの油を焼く灯影において食うなどとは、
じつに野蛮きわまることと思える」第65章
「(……)その運河筋の田舎に生まれた何千という少年や青年が、信心深い
静かな野良仕事から野蛮この上もない荒海の収穫仕事に移ってゆく」第54章
「人間という造化物は、エイハブの見るところでは、その不変の本質構造に
おいては、卑俗なるものだ。かりに白鯨がこのおれの野蛮な乗り組みどもの
心を燃え立たせ、その野蛮性に働きかけて、いくらかは騎士修行の美わしさ
をさえその心に芽ぐませたとしても、しかも、このモゥビ・ディクを欲得
はなれて追っているその間にも、生まれついた日々の食欲をみたす餌だけは、
あてがわなければならぬ。崇高な騎士道精神に燃えた昔の十字軍でさえ、
聖墳をめざして闘いすすむ二千マイルの山川を行くには、やはり道々に強盗
掏摸その他のありがたい役得がなしには満足しなかったではないか。」第46章
「だれが食人種でないというのか。わたしはいうが、フィジー島人が、来る
べき飢饉に備えて、やせっぽちの宣教師を窖で塩漬にしたとしても、その用
心深いフィジー島人は、大審判の日には、諸君のごとき文明開化の食通、
――鵞鳥を地に釘づけにして、そのふくれた肝臓をパテ・ド・フォワ・グラ
にして舌鼓うつ人々よりも、罪が軽いことになるであろう。」第65章
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