新軍事板書籍・書評スレ 77 雑談禁止

718 ：名無し三等兵 (ｱｳｱｳｳｰ Sa11-BG6v)：2023/08/29(火) 13:14:59.01 ID:Ktzt+dh3a.net

議論が行われたのは40年近く前だが内容が公開されたのはごく最近と言う意味で海軍反省会を読んで見たらどうですかね　ミッドウェー海戦に関わる議論が掲載されているのは九巻の「太平洋に日が沈む　ミッドウェー海戦の経緯」の回
軍令部でミッドウェー作戦立案を担当した本人の三代中佐が自らミッドウェー海戦の経緯を旧軍人達に説明すると言う最近まで世に出て無かったのが勿体無い豪華な内容　プランケの取材に協力して著作の邦訳をした連合艦隊参謀千早中佐も議論に参加しているので論点が整理されている
80年代半ば当時までに分かっていた事と謎の事が直で議論されているのである程度海戦に関わるポイントを抑えていないと話についていけないが論点を把握するには最適です
海軍の関係者が戦後発表していたミッドウェーのストーリーは戦後に第二復員局で国民にこう説明しようと関係者で決めた内容であり、運命の五分間もその一部　海軍反省会の頃は公には五分間ストーリーがまだ語られていたが、反省会は非公開の前提なので、運命の五分間が作り話なのは参加者皆知ってるので議論にもなってない
この頃になると破棄された筈の戦闘詳報が現存している事も関係者内で知られる様になっており、拾い上げた捕虜を殺害した話の証拠が詳報の何処から読み取れるかも説明している(当時だと内輪で無ければ絶対に口外しない内容)
ここで最後まで明らかに出来なかった南雲が連合艦隊命令違反をやったのでは無いかとの指摘と事実関係については、この後森史郎が生存関係者へのインタビューを続けて戦闘詳報の改竄を明らかにしており今世紀になってから発表している
ミッドウェー海戦って研究史が書けるんじゃないってぐらい論点があるので、漠然とどれを読めば良いですかって聞く前に、何が論点になっているのかを理解してこの論点について知りたいんだけどどれを読めばって聞いて探した方が良いと思うよ