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■日中戦争は山本五十六が引き起こした戦争(2016)
- 1 :名無し三等兵:2016/04/25(月) 22:11:15.36 ID:cXncNnYz.net
- 日中戦争勃発の経緯
盧溝橋事件では陸軍と政府は不拡大方針であり海軍も表向きはそうだったが、
裏では海軍は一気に全面戦争の準備を開始している。
第三艦隊はただちに上海へ集結し木更津と鹿屋航空隊によって第一連合航空隊を編成し
中国に対する空爆作戦を事実上開始。
それにあわせて米内海相は山本五十六海軍次官とともに政治力を駆使し上海派兵の根回しを水面下で行っている。
こうした海軍を中心とした主戦派の動きは尾崎ら共産党のスパイによって中国側に
情報は伝わっていたのは確実。日本の政情からいって、日本軍の上海は兵は確実だと。
その情報を得た中国政府は直ちに上海へ兵を終結させ
日本軍が上陸してきた場合に備え、徹底した防御陣地の構築を開始した。
それに対して海軍は租界の邦人保護と称して、租界内に防御陣地を構築した。
しかしこの海軍の行為は間違っている。
市街地戦の勃発を誘発させるような海軍による市街地での陣地構築は
まともな軍隊がやるようなことではない。
軍と民間人は絶対に交わってはならない。
でなければ民間人に被害が出るから、こんなこと常識。
そして上海郊外で陣地を構築する中国軍と租界内で陣を張る海軍陸戦隊は
お互いに相手を自分の陣地に引きずり込もうと挑発を開始した。
非常におかしいのは、上海での日本軍の最高司令官であった
第三艦隊の長谷川清はこの間、中国軍側と交渉しよういう意思も
行動もまったく無い点にある。
なんで海軍は交渉で解決しようという行動が一切無いんだ?
長谷川は中国軍に対して、どういう意図で上海周辺に軍を配備したのか
聞けばいいだけの話だが、それをまったくやらないとは常識的に考えられない。
なんとか停戦させようとする意思も行動も一切無い。
- 819 :名無し三等兵:2016/11/27(日) 02:15:12.22
- 排日から抗日へ 昭和12年5月12日
"国力伸張"に思い上る 最近支那の対日態度
上海特電(十日発)昭和九年末南京で発行された漢字雑誌『外交評論』が『未来の世界戦争に対する支那の方針』という懸賞論
文特輯号で応募論文を発表するに当り、その前置きとして徐道隣の筆者名を以て『敵乎?友乎?日支関係の検討』と題する一論
文を掲載したことがある、それから約二ヶ年半を経過した今日の日支関係はどうか、この『敵乎?友乎?』の標語はすっかりその
立場を代えて、日本側から持ち出さねばならぬ標語となってしまったようだ、支那の対日方針とその動向を見極めるに、五月三
日の国民党中央党部の記念週で行われた中央政治会主席汪兆銘氏の報告演説は最も格好なものではあるまいか、汪兆銘氏
は従来少くも日本の大部分の人から知日家、甚だしきは親日家として信望を受けていた人物であるから、彼の言動は最もよく
日本人の『対支再認識』に重要な役割を果すであろう
彼の記念週報告演説は
一、国民大会組織法及代表選挙法の修正に関する説明二、支那の対日態度に対する説明三、経済建設法案に対する説明の
三点を重点として行われた長広舌であるが、その第二において
最近東京の幾つかの大新聞の対支論調は、支那人民を異常に刺戟した、なかんずく五三記念日の本日、我々の日本に対する
態度を簡明に述べるならば、それは抗日であって排日ではないということだ、いわゆる排日ではないということは本来人を害す
る意のないことを意味し、いわゆる抗日とは他人が既に我々を害しているためこれに抵抗せざるを得ぬことをいう、我々のこの
数年来の努力は国家の抵抗力を強めんとするためで、もし個人に抵抗力がなければ病魔一度至れば死亡を免れず、国家に抵
抗力なければ外侮を招き亡国を免れず民族の滅亡まで立ち至るであろう云々
と力説し、第三においては軍需工業の急速なる発展を要望している即ち消極的排日から積極的抗日に進展したわけであるが、
当時中央の意見を代表した徐道隣名義による『敵乎?友乎?』の内容と根本的には何等差異あるものではない汪兆銘氏や蒋介
- 820 :名無し三等兵:2016/11/27(日) 02:20:51.62
- 排日から抗日へ 昭和12年5月12日
石氏等の一貫せる主張であり、国民党の党是でもある、国力の伸張がしかく日本を見くびり高飛車に思うことを方言せしめるに
至ったのである、その意味を集約すれば南京政府の対日外交のモットーである『平等互恵』この中には不平等条約の廃棄、失
地の回復という野望を包蔵する―の強制欲である、つまり政治、経済ともにその侵略に抵抗し、一歩も日本には譲らないぞとい
う決意である、この事は英国が日支を戦争行為に訴えさせる事を避けながら、支那を支援し、ソ連とも接近させ、日本を制ちうし
ながら支那の国力を伸長し極東各国の力の平衡を取戻して極東における英国の政治、経済、軍事各方面にわたる安全性をき
づかんとする政策の一局面でもある
南京政府―国民党―にこの指導原理が確立している以上、果たして日支経済提携は実現の可能性があるであろうか、日本は
勿論北支の支那大衆をも必要視して居り、実現の可能性ありと信ぜられて来た北支においてすら、その困難であるという反証
はいくらでもあげ得るようである、五月三日の天津大公報は社説で地方政権の外国との協定はたとい成立するも民国十八年一
月十八日の中央政治会議の決議により中央政府はこれを承認する能わず、北支の特殊化は国民の総意により反対する云々と
これを攻撃している、さきに日本が日支の政治的国交調整を主張するや先ず経済部門の提携からとすねて出た南京政府が今
度日本が経済外交を提議すれば手を返すように経済提携は先ず政治的解決からとすねて出ている、全く反対せんがための反
対と解する外ない
- 821 :名無し三等兵:2016/11/27(日) 02:21:34.28
- 排日から抗日へ 昭和12年5月12日
日本がいまだ軽工業国の範囲を脱しない今日、紡績業は日支経済合作の主要部門の一であるが、最近支那の紡績業熱はす
こぶる旺盛で休止工場の復活は勿論、拡張、新設等物すごい進出を見せて来た、しかも彰徳の工場では英国のパウルトウ会
社から五万錘の紡績機を二百万元で購入する契約が成立したといわれ、この方面にも英国の投資が活躍しているが湖南省政
府経営の衡中紡績も計画が進められて居り、これ等支那紡績の発展する将来は天津、上海の紡績が大打撃をこうむるは勿論
、日本綿製品の打撃は相当深刻であることを覚悟せねばならぬ、ともかく支那の産業発展に伴ない、日支の経済関係がその需
要関係より対立関係に発展することは否めぬ事実だろう、ただ支那のこれ等産業が果たして計画通り発展を遂げ得るかは疑問
である
もし南京側が態度を改めねば、その結果は再び日支間に重大な波紋を生ずるものと見なされる、これは汪兆銘氏の記念週演
説とも関連性を有するが、その真意を突きとめるには南京政府の経済、財政的危機の切迫を突き止めることが必要である、即
ち孔祥熙氏の対英借款の成否は孔祥熙氏等が冷淡に外面をよそうているに拘らず実際はその運命の岐路をなす重大性を持つ
ものである、この事実は南京の要路間においても既に認められて居るところで、ここもと英国側の感情をそこなわないことが南
京政府としては第一義であるわけで、カークバトリック氏がどのような献言を南京にしたかは不明であるとしても、鉄道利権の集
中を企図する英国として見れば北支に対する意図もほぼ予想されるし、南京側の反対放送も一応うなずける節はある
- 822 :名無し三等兵:2016/11/27(日) 02:24:01.68
- 国民政府の北市中央化工作今や爆発点に達す 昭和12年.7月9日
冀察政権切崩しに狂奔
南京本社特電【八日発】盧溝橋における日支衝突事件は国民政府に非常な衝動を与えているが一面には起るべく予想された
不祥事件が幾分早目に勃発したと見る向きが多くまた国民政府部内の一部においても現在の北支の情勢をものまま放置せば
勢いの赴くところ早晩大規模の日支衝突は避け難く両国外交当局はむしろかかる時こそ国交調整に乗出すべきで時機の熟す
るを待つがごときは卑怯であるとさえ極言している、勿論これは日支の将来を憂慮するあまり発せられたものであるがいずれに
しても国民政府の北支中央化は最早や爆発点まで到達したものと見ねばならぬ
即ち北支の中央化は三中全会以後急速に進められたものだが殊に最近一ヶ月半における変化は極めて激しく北支平和の大
綱である梅津、何応欽協定のごときも今や次第に有名無実化せんとする実情にある、これは具体的には内政部長蒋作賓氏の
北支巡視によって、行悩みとなっていた北支からの国民大会代表選出候補者の選定を見たのみでなく満洲国に最も反感をもつ
満洲出身分子も特殊選挙による東北各省国民大会代表に内定せるをはじめ国民党部宣伝部副部長方治氏の数週間にわたる
北支の遊説、馮玉祥、鹿鍾麟の冀察政権切崩し策は枚挙に暇なく秦徳純氏が三中全会において完全に中央に籠絡されたの
は周知の事実であり、冀察政務委員会委員戈定遠氏は当時宋哲元氏に対する中央の間者であり、今回衝突事件の責任者馮
治安氏のごときは全く中央化され現在七万と称せられる二十九軍中、実際宋哲元氏の命に服従するものは寂寥々たる有様で
あり 宋哲元氏の郷里楽陵逃避のごときも国民政府からの次から次への無理難題が諸原因をなしていると支那側では伝えてい
る、このほか冀察各機関の中堅分子は殆ど中央系で固められ今や北支は冀察政権樹立前の状態に還元せるもののごとく国民
政府の抗日策による北支中央化を中止せぬ限り日支紛争は至るところにあるものと見ねばならぬ
- 823 :名無し三等兵:2016/11/27(日) 02:29:20.63
- 排日から抗日へ 昭和12年5月12日
"国力伸張"に思い上る 最近支那の対日態度
上海特電(十日発)昭和九年末南京で発行された漢字雑誌『外交評論』が『未来の世界戦争に対する支那の方針』という懸賞論
文特輯号で応募論文を発表するに当り、その前置きとして徐道隣の筆者名を以て『敵乎?友乎?日支関係の検討』と題する一論
文を掲載したことがある、それから約二ヶ年半を経過した今日の日支関係はどうか、この『敵乎?友乎?』の標語はすっかりその
立場を代えて、日本側から持ち出さねばならぬ標語となってしまったようだ、支那の対日方針とその動向を見極めるに、五月三
日の国民党中央党部の記念週で行われた中央政治会主席汪兆銘氏の報告演説は最も格好なものではあるまいか、汪兆銘氏
は従来少くも日本の大部分の人から知日家、甚だしきは親日家として信望を受けていた人物であるから、彼の言動は最もよく
日本人の『対支再認識』に重要な役割を果すであろう
彼の記念週報告演説は
一、国民大会組織法及代表選挙法の修正に関する説明二、支那の対日態度に対する説明三、経済建設法案に対する説明の
三点を重点として行われた長広舌であるが、その第二において
最近東京の幾つかの大新聞の対支論調は、支那人民を異常に刺戟した、なかんずく五三記念日の本日、我々の日本に対する
態度を簡明に述べるならば、それは抗日であって排日ではないということだ、いわゆる排日ではないということは本来人を害す
る意のないことを意味し、いわゆる抗日とは他人が既に我々を害しているためこれに抵抗せざるを得ぬことをいう、我々のこの
数年来の努力は国家の抵抗力を強めんとするためで、もし個人に抵抗力がなければ病魔一度至れば死亡を免れず、国家に抵
抗力なければ外侮を招き亡国を免れず民族の滅亡まで立ち至るであろう云々
- 824 :名無し三等兵:2016/11/27(日) 02:30:55.65
- 排日から抗日へ 昭和12年5月12日
"国力伸張"に思い上る 最近支那の対日態度
と力説し、第三においては軍需工業の急速なる発展を要望している即ち消極的排日から積極的抗日に進展したわけであるが、
当時中央の意見を代表した徐道隣名義による『敵乎?友乎?』の内容と根本的には何等差異あるものではない汪兆銘氏や蒋介
石氏等の一貫せる主張であり、国民党の党是でもある、国力の伸張がしかく日本を見くびり高飛車に思うことを方言せしめるに
至ったのである、その意味を集約すれば南京政府の対日外交のモットーである『平等互恵』この中には不平等条約の廃棄、失
地の回復という野望を包蔵する―の強制欲である、つまり政治、経済ともにその侵略に抵抗し、一歩も日本には譲らないぞとい
う決意である、この事は英国が日支を戦争行為に訴えさせる事を避けながら、支那を支援し、ソ連とも接近させ、日本を制ちうし
ながら支那の国力を伸長し極東各国の力の平衡を取戻して極東における英国の政治、経済、軍事各方面にわたる安全性をき
づかんとする政策の一局面でもある
南京政府―国民党―にこの指導原理が確立している以上、果たして日支経済提携は実現の可能性があるであろうか、日本は
勿論北支の支那大衆をも必要視して居り、実現の可能性ありと信ぜられて来た北支においてすら、その困難であるという反証
はいくらでもあげ得るようである、五月三日の天津大公報は社説で地方政権の外国との協定はたとい成立するも民国十八年一
月十八日の中央政治会議の決議により中央政府はこれを承認する能わず、北支の特殊化は国民の総意により反対する云々と
これを攻撃している、さきに日本が日支の政治的国交調整を主張するや先ず経済部門の提携からとすねて出た南京政府が今
度日本が経済外交を提議すれば手を返すように経済提携は先ず政治的解決からとすねて出ている、全く反対せんがための反
対と解する外ない
- 825 :名無し三等兵:2016/11/27(日) 02:33:11.29
- 排日から抗日へ 昭和12年5月12日
"国力伸張"に思い上る 最近支那の対日態度
日本がいまだ軽工業国の範囲を脱しない今日、紡績業は日支経済合作の主要部門の一であるが、最近支那の紡績業熱はす
こぶる旺盛で休止工場の復活は勿論、拡張、新設等物すごい進出を見せて来た、しかも彰徳の工場では英国のパウルトウ会
社から五万錘の紡績機を二百万元で購入する契約が成立したといわれ、この方面にも英国の投資が活躍しているが湖南省政
府経営の衡中紡績も計画が進められて居り、これ等支那紡績の発展する将来は天津、上海の紡績が大打撃をこうむるは勿論
、日本綿製品の打撃は相当深刻であることを覚悟せねばならぬ、ともかく支那の産業発展に伴ない、日支の経済関係がその需
要関係より対立関係に発展することは否めぬ事実だろう、ただ支那のこれ等産業が果たして計画通り発展を遂げ得るかは疑問
である
もし南京側が態度を改めねば、その結果は再び日支間に重大な波紋を生ずるものと見なされる、これは汪兆銘氏の記念週演
説とも関連性を有するが、その真意を突きとめるには南京政府の経済、財政的危機の切迫を突き止めることが必要である、即
ち孔祥熙氏の対英借款の成否は孔祥熙氏等が冷淡に外面をよそうているに拘らず実際はその運命の岐路をなす重大性を持つ
ものである、この事実は南京の要路間においても既に認められて居るところで、ここもと英国側の感情をそこなわないことが南
京政府としては第一義であるわけで、カークバトリック氏がどのような献言を南京にしたかは不明であるとしても、鉄道利権の集
中を企図する英国として見れば北支に対する意図もほぼ予想されるし、南京側の反対放送も一応うなずける節はある
- 826 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:17:25.40
- 油断のならぬ上海排日の近状 昭和6年12月11日
最近郵船大阪支店着、上海発の情報によると同地に於ける其後の日貨排斥状況は左の通りである
一、上海に於る対日経済絶交運動
(イ)日貨不売買運動崩壊の風説は無根
(ロ)抗日運動は時局の推移と相関的不離の関係
上海に於ける抗日運動の徹底せること其後も依然として変りなく紗布、紙業、糖業関係華商が抗日会に対して自家手持封印日
貨(価額見積約八、九千万弗を下らず)の解除を訴えつつあるに拘らず、市党部、抗日会側は毫も応ずる色なく、検貨員は各方
面華商特に大店舗に対し厳酷を加えつつある模様にて、現に
(イ)十一月中旬租界の倉庫内の「メリヤス」生地三百反が抗日会に抑留せられ、陸戦隊によって漸く取戻し得たり
(ロ)華商の封存海産物が変質性の関係上冷蔵倉庫に移されたるに拘らず未だ封印解除されず
(ハ)従来日本洋紙特に新聞紙は実際には排日貨の埒外に在りしもの最近欧洲、加奈陀品の進出するや、既約邦品来年物以
後の契約破棄を通知せる旨報ぜらる
(ニ)排日貨裏切の嫌疑を受け、監禁又は罰金の憂目に逢う華商依然として跡を絶たず
最近伝えらるる所の抗日会が罰金の名目にて取扱料を徴収し、日貨売買を許可するに至り、又邦人紡績が特許料を納入して
取引運搬上支障無からしめ得べき模様に付対日経済絶交運動は今や崩壊に転向しつつありとの報道は全然無根の誤報に過
ぎず、要するに排日運動は国民の党部の対外策の一表現に外ならず、且つ国民政府が此党部を背景とせる以上日支事変の
推移と相関的に不離の関係に立つと観るの外無しと思わる
- 827 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:22:58.47
- ソ連の極東軍備と関東軍の使命 昭和12年1月1日-1月3()日
関東軍参謀 坂西一良
(上) 憂うるを熄めよ 関東軍健在なり 彼の隠微な"害虫戦術"
この題目を見て、ああそれは既に承知だと考える向も少くなからう、それほどありふれた問題ではある、しかしながら今日の世
界、特に極東は往日の如き緩慢さをもって移動しつつあるのであろうか
進展の速度曩日に十倍すとさえ称うる人のある今日である、誰か極東のソ軍のみ依然呉下の旧阿蒙なりと断定し得ようぞ、
止まる者は退くなり、今日のことをもって昨日と同一視する者、それは既に過去的人物ではなかろうか、況んや彼が殆どその国
家の全力を傾倒しある極東問題である、近代国家において未だ嘗て見ざる独裁強権の密封国である、聞えざるが故に見えざる
がために彼に変化なしと考うるは御芽出度きかぎりではなかろうか、このごろ極東ソ軍の行動は甚だしく積極的にかつ横暴とな
って来た、最近約一ヶ年の不法越境や不法射撃事件だけでも百数十回ある、その理由を少しく考察してみたい、これがために
は彼の建軍の根本方針と現在はその発展過程のいずれの階段にありやを検討するのが捷径であろう、御承知の如くソ連邦は
将来戦の基礎条件を国際的社会問題に置きこれを契機として世界革命を誘発せしめ、現代文明を破壊して彼等の企図する誤
れる新なる社会、謬れる新なる文明を建設するをもって、その目的とするものであって、その戦略の大原則は外国に対しては社
会的攻勢を、自国内に対しては社会的守勢をとり社会的攻勢の成功明瞭となるに至らば機を逸せず、強大なる赤軍をもって猛
然攻勢に出で絶大の成果を獲得することをもって戦争指導教義の基礎方針としている
彼等の謂う戦争手段は思想戦、経済戦および武力戦であって、これは単に某国人の如く口頭禅、紙上論ではなく既に実行し
又今正に実行しつつあるところである、しかして従来吾人の所謂平和なるものは彼等の思想をもってせば単なる武力戦線の休
- 828 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:23:40.94
- ソ連の極東軍備と関東軍の使命 昭和12年1月1日-1月3()日
関東軍参謀 坂西一良
(上) 憂うるを熄めよ 関東軍健在なり 彼の隠微な"害虫戦術"
戦を意味するに過ぎないもので、思想および経済の両戦線においては旺にその活動を継続しての発展に努め、もって相手国の
意思及び国力を挫折屈服せしめんと企図しつつあるはわが近隣に近く起り、又起りつつある事象を注視する具眼者の夙に感知
せられつつあるところであろう、将来戦における彼が戦勝の要訣は持久戦的戦略守勢をとりつつ隠微の間に社会的攻勢をとり
、相手国を思想国難、経済国難に導き国民の精神的分解、経済的対立、階級的闘争等を誘発せしめ、その結果として生ずる反
乱等の好機に乗じ赤軍をもって総攻撃に出づるのである、それはあたかも密かに害虫を帯裏につけて置いて過早の熟柿を促
成しその色づくのを待って一挙に幹を揺り動かしてふり落してしまうというような戦法で、漸進隠微の間にやる仕事故始末が悪
い、人の良い日本人殊に相手を常に善意に解釈することを推奨し且つこれを行いつつある仏の如き我等にとってはこれは大の
苦手である、右のことを念頭に置いて静思するとき何物かを暗黙の裏に捉え得るのではなかろうか
ソ連の極東兵備について一瞥を与えるならばソ連は昨年度軍事総予算百五十億留の中約五十億という巨費を単に極東のみ
の軍備に費して鋭意攻勢の準備中であるが特に茲に注意すべきはこの五十億留というも単なる五十億留に非ずして我等日満
側に較べてその実質的能率が遥かに大なることである、これは彼が強制労働、無賃労力を使うためで、例えばハバロフスク、ニ
コリスク間複線鉄道工事において約八万五千人の強制労働者を使用しあるが如きそれである、又総兵力百六十万中の二十五
万を総飛行機四千機中の八百機を総戦車五千台中の七百台をそれぞれ極東に既に戦略展開し終っている、このほかに莫大
の瓦斯戦準備および五十有余隻をもってする潜水戦準備を完整し、莫大なる弾薬糧食を集積しているのみならず、細菌戦準備
さえも研究整備に努めつつあるとのことである、最近満洲国境を歩いて目撃したのであるが、ソ領の諸処に薄桃色の広大なる
- 829 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:26:12.88
- ソ連の極東軍備と関東軍の使命 昭和12年1月1日-1月3()日
関東軍参謀 坂西一良
(上) 憂うるを熄めよ 関東軍健在なり 彼の隠微な"害虫戦術"
兵営が盛んに新築せられているこれはかねて聞きおよんでいた各地分屯のコルホーズ部隊が正規師団に増強、改編、集結せ
られた証左であろうと見受けられた、もしそれ所謂トーチカ陣地に至ってはこれを純防禦的のものと見る人もあるが、これは決し
て妥当の見方ではない、否欲するところに攻勢をとるための足場であって某局部で防勢をとることは他部において主力をもって
攻勢をとることの保障である、而してこれを満洲国の殆ど全周にわたって施設したことの意味をよく諒解せられたい
又将来戦に重大なる役割を演ずる軍需の補給能力について考察するならば現在ドンバス、ウラル、グズネッツの大工場地帯
やブレーヤ、コムソモリスクの各軍需工場地帯が続々極東に現出しシベリヤザバイカル、ウスリー鉄道の増強複線化等殆どこ
れが完成を見たるほかにイルクーツク、バイカル、ゼイヤ上流を経てニコライエフスク南方に出るバム鉄道は目下敷設中である、
国境に立ってその鉄道運行状態を見るとあじあやつばめまでも行くまいが、往時に優る快速の長列車が疾駆しているのでもそ
の鉄道施設改善程度の如何に高いかが明瞭に窺われる、これをレニングラード附近を唯一の工業地帯としてこれから長遠なる
単線シベリヤ鉄道によって軍需品補給をやっていた往時に比すればその差は霄壌もただならぬであろう
さらにソ国側背の情勢を観るならば、欧洲においてはソ、仏同盟を作りあげて後顧の憂いなからしめ、東洋では外蒙の独立を
完成し、新疆亦殆ど独立状態にしてこれ等を挙げて自国連邦内に包含し又支那に対しては極めて活溌に共産軍を活動せしめ
て容共策に狂奔せしむるの状態であることなども亦既に御承知の通りである、彼はこれ等のことを日本と比較して見て計数上
既に勝算ありと見たものだから果然積極的になり横暴の振舞におよぶようになったのであろう
以上に思いを廻らす時吾等は彼の考うる戦争指導過程のいずれの段階に今立てるや自ら明瞭になるのである、ここまで読ま
れた諸君はこれに処する日満両国特に関東軍についてこれが対策の説明を求められるであろう、然しながら諸君、憂うることを
- 830 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:27:40.93
- ソ連の極東軍備と関東軍の使命 昭和12年1月1日-1月3()日
関東軍参謀 坂西一良
(上) 憂うるを熄めよ 関東軍健在なり 彼の隠微な"害虫戦術"
熄めよ、我関東軍は健在である、とは云え無条件に合点も行きかねると思うので少しく説明を附加して見ようと思う
彼の覇武何ぞ我神武に敵せんや
ソ連の社会的攻勢特にその思想戦には世界各国共少からず弱らされ、わが日本も多少の迷惑を被ったことは争われぬが、こ
れについては目下日本内地において盛んに経綸の行われんとしつつある模様であるから熱意ある政府および国民に信頼をし
、又満洲国内においては内地に数歩を先んじて着々実現されつつあるかの様子であるのでこれには触るることなく、専ら関東
軍必勝の信念とその使命に対する態度とを述ぶることとしよう
抑々戦争が物質のみで勝ち得ると考えるのは極めて素人の観で史乗あって以来そんな例は一つもない、もとより近代の精巧
なる利器の或程度まで必要なるは論を俟たぬところではあるが、如何に精巧なる利器をもってする交戦と雖もこの原則には変り
なく、物質は依然として物質であり、人力特に精神力を借らずにその性能を発揮することは不可能である、古今東西の名将は
実にこの点を体得し実現しもって戦勝に導いたのであるが悲しい哉ソ軍にはこの認識が甚だ乏しいのである、これは物質文明
の中に育まれ神の存在をすら否認する彼等だ、強制力をもって万事を解決し得ると信じているのも無理からぬことではあるが、
赤軍指導者の内に一人位はこれに関して大声疾呼する人があってもよさそうなものである、とはいえ根本観念を異にし、現政権
の拠ってもって立てる根柢が此事と相反する以上致し方のないのは宿命的弱点であろう、彼等の内には従来の歴史は或は然
らんも今後の原則は然らずと考えている者もあるであろう蓋し人は達人でない限り何かしら当面する事象を例外的に考えそれで
もってつじつまを合せて自己満足を得たがるものだから。関東軍はその兵力は仮令彼に比して劣勢であろうとも装備些か彼に
劣ろうとも一もって十、百に当るとの精強は自他共に許すところで多くをいうを須いぬであろう、蓋し謹慎は我等日本人の信条で
あるからである
- 831 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:28:57.52
- ソ連の極東軍備と関東軍の使命 昭和12年1月1日-1月3()日
関東軍参謀 坂西一良
(上) 憂うるを熄めよ 関東軍健在なり 彼の隠微な"害虫戦術"
次に作戦行動は人和に俟つこと最も大であることは古来人和をもって天の時地の利の上に置いてあるのをもってしても、又日
常吾人の周囲を瞥見しても諒得出来る限りであるが、ソ連には少数共産党と多数民衆との対立があり、分析対立文明を知って
綜合渾一文明を知らざる彼国では近頃スターリンとトロツキーの抗争激化による国内紛争が顕然として掩うべくもなく到るところ
に対立抗争の頻発するを僅かに陰険なるゲ・ベ・ウの摘発と強暴なる弾圧とをもって鎮圧しつつある現状を考うる時、彼の文明
が如何に低級にして愍然たらざるを得ないかが判る、しかし現政権が拠ってもって基礎とするところにその根本的弱点が存して
いるのだから如何ともなし能わぬのであろう、この点彼と比較してわが日満側が顕然優位にあるは洵に悦ばしい極みである
もう一つ彼の根本的弱点を見て見るならばそれは彼の武力がわが神武に到底比すべくもない覇武であることである、換言す
れば彼は力即ち正義と考え暴力をもって不義を行う常套手段とするのである抑々人は死生に直面する時必ずやそこに神秘感
幽然として湧き起り安心立命の境地を発見せんとするものである、かかるが故に彼等キリスト教国軍は過去の戦役において軍
僧を先頭に立てて進軍をしているではないか、死生の地において恐るべきものは、神即正義以外には何物もない、この時にお
いて正義以外の何物をもってするも自己内心を納得せしめ得るものではない、ここにもソ軍の根本的弱点が伏在する、以上瞥
見した二、三の点だけでもソ軍には一朝一夕に医し能わぬ根本的且つ致命的弱点が内在している、覇武に立ちし国古今東西
その数を知らず、しかも何れもが治乱興亡を繰返している中にあって独りわが神武の国のみ二千六百年の連綿たる皇運を仰ぐ
これ洵に真理の永遠性を具現せるものでなくて何であろう、幸なるかな、吾人はこの信念の上に立つどうして些々たる外形上の
美観なぞに眩惑せられよう、関東軍の必勝の信念の一班は以上の如くで抜けば玉散る破邪の宝刀が静かに鞘に納められて大
命の到るをまって居るという状態である、翻って満洲国内をみるに、治安は大いに粛清せられたりというもなお一部匪賊はソ支
- 832 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:30:03.67
- ソ連の極東軍備と関東軍の使命 昭和12年1月1日-1月3()日
関東軍参謀 坂西一良
(上) 憂うるを熄めよ 関東軍健在なり 彼の隠微な"害虫戦術"
両国共産党より物質上および精神上の支援を得て地形の広大嶮難を恃み蠢動を続けつつある事実に即し、軍は日満軍警とと
もにこれが討伐に従事し日々尊き犠牲者を出しつつあるは周知の事実で、完き粛清を見るのも遠いことではなかろうが、これ等
尊き犠牲者に対しては深甚の敬意を表せざるを得ない、又隣邦支那は今もって日本の真意を了解し得ず、以夷制夷政策をとっ
て東洋禍乱の根源をなしつつあるは善隣として洵に遺憾に堪えぬものがあるが、関東軍はこれに対しても亦駐屯軍とともに状
況これを要すれば直に立ち得る準備を完整している
今日日本が満洲においてなしつつあることは実に欧洲諸国の桎梏下より東洋民族を解放して東洋平和を確立し、さらに世界
平和に貢献せんとする神武皇謨八紘一宇化の大理想顕現にほかならないのでこの公明にして正大なる神意を堂々実現すべき
は実にわが皇軍の使命にしてしかもこの使命の前衛としての任に当るは我在満関東軍であり、従って関東軍は一意君国に奉
ずる忠誠心に基き鉄石の団結と不動の勇猛心を振起しつつ護国の楯として厳存するのである、この点に関し各位は関東軍に
万福の信頼を願いたいのである
- 833 :名無し三等兵:2016/11/28(月) 01:35:05.76
- 一千機の大空軍本年中に完成 昭和9年.2月.6日
南京政府の拡張案
五日某所着電の情報によれば蒋介石氏は過般南京の中央党部大礼堂において開催せられた四中全会議の決議を経て本年
中に八百台乃至約一千台の飛行機を英、米から購入しもって迅速に中央空軍の一大拡張を敢行することに決定したと伝えられ
ている
南京政府はさきにそのいわゆる「航空救国」指導精神のもとに昨夏の廬山会議において中央空軍の根本的拡張を企画し「航
空三任計画」なるものを樹立して昭和十一年末までに偵察機三百五十機、駆逐機三百機、軽爆撃機二百機、重爆撃機百機合
計約一千機の増加を行い七乃至八連隊の編成増加を実現するの計画を樹てたが、旧臘二十二日から二十五日にわたる●州
並に福州の爆撃によって福建革命政府の潰滅に成功するや空軍拡張の必要を著しく痛感し急遽今次の拡張計画を決定するに
至ったもので蒋介石氏としては今後掃匪並びに辺境の各独立軍討伐の武力使用に当っては専ら空軍の威力に依存してこれが
解決を速かならしめんとするところに今次の拡張の真意を置いているものと見られている
- 834 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:17:41.50
- 桑港−香港−上海間の米・英・支三国航空協定遂に大綱成立を見る 昭和11年10月29日
【上海二十八日発同盟】米支航空連絡についてかねて中国航空公司総経理戴恩貴氏と汎太平洋会社極東支配人ビックスピー
氏が香港に赴き英国側香港政庁当局と交渉中であったが、最近英、米、支三国間に原則的協定の大綱成立を見るに至ったと
確聞する、しかして右協定の骨子は
一、米支航空連絡は桑港、上海間とす
一、その内汎太平洋会社所属機は桑港、香港間を連絡し香港、上海間は中国航空公司が分担す
一、英国は香港に米支航空連絡のためエアポート、格納庫その他必要なる一切の設備を行うことを承認す
というにあり、細目協定については英米支三国間に協議続行中で、全線の連絡開始は数ケ月後となるらしいが上海、香港間の
みは来月一日より開始される模様である
新例として列国注目 我出先官庁も重視
【上海二十八日発同盟】別項中国航空公司の上海、広東線を香港まで延長することによって米支航空連絡を実現するは今次の
協定中最も注目すべき点であるが、列国は対支航空連絡につき何れも割込を策しつつあり就中イギリスはインペリアル・エアー
・ウェーの彼南、香港線を上海まで延長せんと計画して米支両国当事者が香港中継地案をイギリス側に交渉した際も遽にイギ
リス線の延長案を提議して交渉が停頓に陥った事実あり、更にフランスもまた仏機を使用する河内、広東間の航空連絡を強要
せんと狙っており、この間支那側では出来るだけ各国飛行機が支那国内でリレーすることを防止せんとしておるので遂に最初
に問題となった米支航空連絡に対し中国航空公司線を延長する形式をとって表面アメリカ機の中国領土内乗入を防止する態度
をとりつつ米支連絡を実現した訳で今後各国との間に締結さるべき連絡協定の新例となるものとして注目される
【上海二十八日発同盟】イギリス側が米支連絡の中継地として香港を提供した代償としてイギリスのインペリアル・エアー・ウェ
ーの上海延長権を支那側から獲得したと信ずべき節あり、列国の対支航空進出に対しわが出先官憲は重大な関心を払ってい
る
- 835 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:18:48.99
- 桑港−香港−上海間の米・英・支三国航空協定遂に大綱成立を見る 昭和11年10月29日
プ島の着陸権要求 英・南支の制空を目指す
【上海二十八日発同盟】確聞するに英国は米支航空連絡の中継地として香港の使用に同意した代償として英帝国航空路(イン
ペリアル・エアウェー)を上海まで延長する件を支那側と交渉中であるが、更に過般カルデゴット香港総督が広東において蒋介
石氏と会見の際並に新嘉坡空軍司令(グループ・キャプテン)スミス大佐香港訪問の砌り広東で蒋介石氏と会見して英帝国航
空路の新嘉坡、香港線開通のためプラタス島(東沙群島中の一部)に飛行機着陸権の承認を求めた由で同島に飛行場、無電
台その他の設備を英国の手で行う諒解が成立したと伝えられる
而して英国側は右を旅客機の燃料補給の必要を表面の理由としているが専門家の見解によれば現在使用の航空機ではシン
ガポール、香港間の旅客飛行には燃料補給を必要とせず唯軍用機に爆弾を搭載する場合においては積載燃料の制限を受け
無補給無中継飛行は困難だといっている
即ち英国側の前記申出は此の欠陥を補い南支、南洋の制空権を把握せんとする遠大なる軍事的意向を包蔵するものと解せら
れ極東情勢に重大影響を及ぼすべき軍事協定であるとして各方面から注目されている
- 836 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:20:50.80
- 長期抗日の火蓋切らる 昭和8年8月31日
古鉄類一切を突如、輸出禁止
漢冶萍鉄禁輸の前提 背後に某国策動の疑い
上海本社特電【三十日発】国民政府は去る二十三日附各海関ならびに地方行政機関に対し次の如き命令を発し鉄、銅、鉛など
の半製品の海外輸出を禁じ違反者は通敵罪として厳重取締まることになった、最近日本側でさかんに鉄、銅、鉛の廃物を購入
するものありという理由でこの挙に出たもので即時実行されるはずである
(一)鉄、銅、鉛の半製品(二)完製品の変形または改造せるもの(三)銅、鉄、鉛の原料(四)右原料を製造、加工する際生ずる残
滓物(五)軍隊で用いた薬筴(ケース)はもよりの兵器廠で処分せしむ(六)右種類に属するものは絶対に輸出を禁止す
上海本社特電【三十日発】国民政府が果して財政部長宋子文氏の帰来と同時に三十日から抜き打的に古鉄類一切の輸出禁
止を行ったことに対し上海官辺ではこれをもって日本の八幡製鉄所の生命たる漢冶萍鉱山の鉄鉱原石類の輸出禁止の前提を
なすものとして非常に重視している、今回の禁止理由として伝えられるところによると
国民政府は日本側でこれらを軍需品製造に使用しつつあるとの噂に極度に狼狽し軍政部の意見により禁止を断行するに至っ
た
といわれているが、その背後に某々国の策動あるもののごとく宋子文氏の帰国とともに早くも国民政府が対日長期経済抵抗の
火蓋を切ったものと見られる、即ち現在上海から輸出される古鉄類総量は年約一万トン内外に過ぎずことさらに輸出禁止を行う
理由は全然なくすこぶる疑問とされており、その裏面においてこれを鉄鉱輸出禁止にまでもち来さんとする魂胆なること明瞭で
明かに蒋介石氏の計画せる対日軍備拡張の一部と見られている、原産地標記条例といい今回の古鉄類輸出禁止といい今や
国民政府が表面日本に対し政策緩和を示しながら裏面において着々と合法的排日を行わんとする証拠とされている、なお三十
日の発令は実に突発的であって日本行古鉄類にして出帆間際に抑えられたものあり支那側の暴挙によって上海の当業者は大
打撃をうけている
- 837 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:21:52.07
- 長期抗日の火蓋切らる 昭和8年8月31日
各地の排日
平津
【天津三十日発連合】平津地方の排日運動はいよいよ実際工作に移り市商会は商民憂国会の勧説によりまず支那街における
日貨調査に着手した、天津市商会および官憲方面は国民政府実業部から国貨提唱の名の下に露骨な日貨排斥方法の通牒を
うけ排日風潮の再燃に平津地方の日支関係は再び悪化の道程を辿りつつある
永平
奉天本社特電【三十日発】支那軍の不侵入地区たる北支の非武装地帯は日本軍の撤退後日を逐うて治安乱れ居住支那民衆
の避難するもの続出の有様であるが最近さらに停戦協定に違反して反満抗日の空気濃厚となり永平ではすでに抗日救国会の
組織を見また北寧沿線留守衛では居留邦人の営業を妨害圧迫、漸次戦前の状態に還りつつあるので山海関のわが軍は事態
を重大視している
広東
【広東三十日発連合】広東省各地には最近またまた排日運動が猛烈な勢いで勃興しつつあり
右に関し地方新聞の報ずるところによれば最近旧東北義勇軍援助のため組織された排日団体が広東省内三十五地方に起り
その他十五地方にも同種排日団体諸協会が設立された
殊に注目すべきは長江西南政治会議が王徳林を東北義勇軍総裁に任命したことである
王徳林はさきに満洲において反満抗日を標榜する偽勇軍巨魁として兇暴を逞しくしたが敗れて露国領内に逃れその後馬占山
等とともに欧洲を経由帰国し最近広東に滞在しているものである
- 838 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:23:24.01
- 支那へ、支那へ、列国の大進出 めざましい伊国 昭和9年.2月.26日
空軍拡張を繞って我国も成行重視
最近支那の航空及び通信事業に対し諸外国がその手をのばし来ったことは注目を要するものあり、殊に福州及び厦門におけ
る大飛行場の建設は米国棉麦借欸流用の疑いあり、アメリカよりの飛行家及び技術家の渡支も頻々たるものがあって我国各
方面を刺戟している
一方イタリーの対支進出も目覚ましいものがあり、最近のイタリーの反日親支的態度は外務当局でも相当これを重要視して成
行を監視している、即ちムッソリーニ、イタリー首相の女婚前駐支公使チアー伯はローマにおいて外交の要路にあるが元来チア
ー伯は張学良と親交あり
宋子文として接近している関係あり、ムッソリーニ首相も漸次支那に対する関心を持つに至ったものと推測され、張学良がチ
アー伯とともに渡欧しローマに滞在中イタリー官辺と支那の空軍拡張建設について打合せをなしイタリー飛行家の支那政府へ
斡旋せる事実あり、蒋介石も抗日空軍拡張の必要を感じていたところ最近の福州独立事件の経験に鑑み益々その必要を認め
、第四次中央全体会議において第一期空軍拡張実行案として五千万円の支出を議決した、しかしてその財源としては外資に
関する限りイタリーの団匪賠償金をもって充当すべく報道され、またアメリカの棉麦借欸る、又通信事業に於てはイタリーは団匪
賠償金の一部をもって真如無電台の附近にイタリーと直接通信をなすに定る新施設を創設することとなった由である、更に進ん
で団匪賠償金を担保として上海銀行界に対し四千四百万円の借欸を承認させ各銀行は既にその引受額その他の条件を決定
したしかして右借欸は多面共産党軍討伐費の一部にあてられることとなっているが、イタリーの真意は同国産の飛行機売込み
と航空事業の諸権利の獲得にあり、支那側との間に如何程の諒解があるかは注目されている
- 839 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:26:29.86
- 南太平洋横断 制空権確保に米国頻に狂奔 昭和8年.3月.27日
広東派を煽てて軍事施設 南洋諸島返還運動の裏面
上海本社特電【二十六日発】
日本の委任統治下にある南洋諸島の還附問題が緊迫し、すでにこの問題に関し日独の間に予備交渉とも見らるべきものが行
われたが、一方日本の聯盟脱退後における態度に深甚の関心を有する米国がこの問題の裏面に干与していることは明かであ
り、かつ南洋問題をめぐる米国の東洋政策の動向が注目されている、すなわち最近米国殊に軍部(海軍省、航空省)の東洋進
出の野心が露骨となりその根本通路たるサンフランシスコ、ハワイ、ミッドウェー島、ウエク島、グアム島、フィリピン、広東を連ら
ねる南太平洋横断制空権確保を目的としており、この通路に横たわる南洋諸島が日本の支配下にある間は米国の前記の東洋
への通路は常に不安にさらされている、日本の南洋諸島領有は米国軍部の頭痛の種であったため南洋諸島が日本の手から
離れることは米国軍部のかねての念願であった、これと関聯して今や見逃し得ぬ事実は米国軍事当局の東洋殊に支那に対す
る遠大なる軍事計画が着々成功を見つつあることである、すなわち前記南太平洋横断の終点たる広東において米国海軍航空
当局の歩める道を見ると米国が支那で軍事的力を注いでいるのは蒋介石の国民政府よりも広東の軍閥である、広東における
米国の勢力は日本が満洲の問題に気をとられていた間に一大飛躍をした、広東政権の各部門にわたって有力な顧問が入り込
んだ、海軍のマリー大佐、航空のメリーおよびハリスン両大佐はその昔のボロジン、ガリンの株を奪っている有様だ、かくして米
国軍部の指導援助のもとに広東には空軍六大隊(二百十六機全部米国式)編成を計画し、このほか飛行教導隊三大隊、警備
隊三大隊、高射砲六隊を完成すべく予定されている、また韶関(広東の北方、湖南省境に近き粤漢鉄道に沿う都市)、肇慶(広
- 840 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:27:10.08
- 南太平洋横断 制空権確保に米国頻に狂奔 昭和8年.3月.27日
広東派を煽てて軍事施設 南洋諸島返還運動の裏面
上海本社特電【二十六日発】
東の西方、西江流域の都市)に大飛行機根拠地、広東、韶関に飛行機製作所を建設、米国から高級技師を派遣している、この
空軍大拡張のため広東派と米国との間に一千万ドルの秘密借欸がすでに契約されたと伝えられている、これらは一朝事ある
時は米国海軍飛行機の作戦根拠地となり得るものである
さらに米国は陰に陽に広東派を煽動して対日開戦論を促進しつつある形跡がある、要するに米国は単なる広東派援助の範囲
を遥かに超越し明かに対日作戦を前提として万一太平洋に風雲起らば日本は恐らく第一にフィリピンを攻略すべしとなし日本と
フィリピンとを連ねる線を広東を一端とする東西の強力なる一線をもって断ち切るべく、一方日本に対する最短距離の航空根拠
地を確保して米国海軍の太平洋制空権を補うべき大計画を実行に移しつつあるものと見てよい、かく観じ来ればこの米国の計
画の遂行上大障害たる日本の南洋委任統治をこの機会に乗じて解消せしめんとするものであることは疑いない、かつまた米国
が苦心の結果に成る広東における軍事施設も要するに日本が南洋委任統治をなす間は竜を描いて点晴を忘れたものであって
日本から南洋諸島を奪ってこそはじめて成果を挙げうべきものである、かくて米国今回の裏面からの南洋諸島奪回策謀の魂胆
がいずれにあるか明瞭である
- 841 :名無し三等兵:2016/11/29(火) 02:35:51.88
- 米国の指揮下に一千機を建造 昭和12年2月21日
支那の航空三年計画
民国の独裁官蒋介石が”航空救国”を高調してから目標空軍一千機にスタートを切ったのは上海事変直後のことである、多事
多難な「地震の殿堂」南京政府ではあったが、この大航空建設の念願は年一歩と進展し到頭「一つの空の偉力」をアジアの一
角に出現させてしまった、そして新陣容を整えた青天白日旗下のこの民国空軍の華やかな光芒の蔭には実に”アメリカ”と云う
黒幕が隠然と存在していたのだ、そして今も尚おアメリカの指導下にあって、民国は更にその空軍を倍加せんと画策している
先ず国民政府に属している現在の空軍を観れば、上海事変当時は陸上七隊水上一隊に過ぎなかったが、アメリカの積極的
指導を得て空軍の内容刷新と、その兵力の増加を策し一方国民の航空熱熾盛化と相俟って空軍拡充の気運を醸成し来った
例えば米国と航空密約を締結して空軍の根本的刷新を図るためその一時的方便として先ず陸上七隊を三隊に縮小し、残りを
杭州飛行学校に集中してアメリカ飛行士を招聘、根本的に空軍勤務者を訓練した
かくして支那空軍は”尋常一年生”にかえって根本的にやり直しを行い、その為に内容は漸次充実性を帯びて来たが、所謂「
支那航空三年計画」は昭和十一年末を以て略完成をみたと伝えられているが、それに依ると
一、偵察機 三五〇機
一、駆逐機 三〇〇
一、軽爆撃機 二〇〇
一、重爆撃機 一〇〇
一、水上機 五〇
計 一、〇〇〇
に及び、近くこれは七乃至八聯隊に編成され更に茲数年後には一層優勢な空軍を保有するだろうと観られ、その背後に指導者
アメリカが存在しているだけに「単なる支那空軍」として決して軽視出来ない情勢に到来した事は確である、一方、地方軍閥に
- 842 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:31:53.13
- 米国の指揮下に一千機を建造 昭和12年2月21日
支那の航空三年計画
よって育成され、中央空軍とは別個に取扱われているものに四川の二十機、山西の十五機など
その他貴州、雲南にも若干機あるが、支那協賛軍にも「朱毛空軍」といわれるものが数台あると
いわれ、これはソ聯空軍の支給によるものと伝えられている、面白いのは地方空軍の飛行機操
縦者が殆ど外人飛行士であることであろう
さて支那空軍の発達をみる場合、われわれはアメリカの根強い支援を決して忘れることは出来
ない、アメリカの援助は中央空軍の拡張を企図したのであるが、その裏面には支那政府が米国
に軍事上重要な利権を提供していることである、更に各地方空軍は名義上支那軍閥に属してい
るが、実権は殆ど米国の手に帰している、そしてアメリカの教官は現在百名を超えている、飛行
機とガソリンは全部アメリカによって制せられている、例のリースロスの国幣改革案に基く銀国有
の断行で支那の財政は愁眉を開いたというが、ここでも巨利をせしめたものはアメリカの飛行機
会社だった、何しろ一年に三百機も売り込むアメリカである、ただその蔭にもう一つのたくらみが
潜んでいることをわれわれは知ることが出来る、それは抗日の熱病に憑かれた支那の官民を煽
りたてて、空軍を拡張させれば一つは対岸の強敵”日本”を牽制し得るというアメリカ式考えから
であろう、これは米国としては一石二鳥の名策として自負するに充分なものがあろう
最後に、最近の支那民間航空状態に一瞥触れてみよう
現に民間航空機といわれているものは四十機程ある、そして支那の民用航空は大体次の三系
統に分れている
- 843 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:32:50.86
- 米国の指揮下に一千機を建造 昭和12年2月21日
支那の航空三年計画
中国航空公司(米国系)
昭和四年四月創立、同年七月米支航空新契約の締結により米支合弁となる、しかし実権は米国
人の手中にある
第一線 上海、南京、漢口、重慶、成都を結ぶ
第二線 南京、徐州、済南、天津、北平を結ぶ
第三線 上海、寧波、温州、福州、広州を結ぶ、このほか重慶−雲南線を最近完成し、昭和十一
年十月より香港において太平洋横断定期航空路と完全に連絡、更に計画中のものもある
欧亜航空公司(独逸系)
ドイツ「ハンザ」航空会社により昭和五年より開始された独支合弁
第一線 上海、南京、北平、満洲里(西伯利亜経由伯林)
第二線 上海、南京、北平、庫倫(同右)
第三線 上海、南京、甘粛、新疆(同右)
更に昭和十年には北平−広東線西安−雲南線の諸線完成し、就航をみている
西南航空公司−西南五省官民公弁事業
昭和十年より事業を開始し、目下広東−南寧−竜州の定期航空を実施している、使用機及び操縦
士は米国に仰いでいる
- 844 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:36:28.28
- @「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
抗日全軍将兵同志諸士!
今次の蘆溝橋事件に際し、日本軍は卑劣極まる欺瞞的
手段によつて我が天津及び北平を占拠し、我が同胞民衆
を殺害したが、我が国にとつてこれ以上の大なる恥辱は
ない。これを思ふ毎に、余は実に痛心限りなきものがある
のである。
満洲事変以来、吾等は忍耐に忍耐を重ね退譲に次ぐに
退譲を以てしたが、日本は益々凶暴圧迫を恣にしてその
止まるところを知らない。かくて吾等は忍ぶに忍び得ず
退くに退き得ない事態に陥り、全国一致決起して日本と
死活の勝負を決するの已むなきに至つた。しかも吾等軍
人は平素より全国同胞の膏血による給養を受けてゐる。
吾等はこの秋に当り、如何に勇奮力闘して保民保国の重
責を果すべきであるか?
余は全国を統帥し、国家の存亡、将兵の生死に対して
全責任を負ふべき地位に在るが故に、自己の心力を竭し
て最後の勝利を獲得しなければならないのである。
余は常に「戦へば必ず勝たねばならない」と言つて来
た。我が全将兵は一心一徳、命令に服従すれば即ち足
る。その結果は必ず日本軍を撃破し、我が国辱を雪ぐこ
とが出来るのである。
今直ちに日本に対する決死の抗戦を開始せんとするに
当り、最も重要なる五つの事項を示して玄に全将兵の注
意を喚起せんとする次第である。
- 845 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:37:21.91
- A「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
一、飽くまでも犠牲たるの決心を堅持すべし。
諸士は日本が予てより機に乗じて功をとるの方法を
利用し、我が領土を相次いで奪取し来つたことを知つ
てゐるであらう。従つて日本軍に対して相当の打撃を
与へない限り、その侵略を停止させることは出来ない
のである。而して今吾等が挙国一致日本に向つて抗戦
すれば、日本もまた体面上必ずや全力を傾けて戦ふで
あらう。故に、戦争が勃発しなければ即ち己むも、一
度戦争が始まればそれは必然的に長期戦となり、日本
が弊れなければ即ち我国が亡びるであらう。従つて吾
等軍人は必ず心を同ふし、力を合せ、死を決して戦に
赴き、民衆は心を一にして飽くまでも日本に抵抗しな
ければならないのである。
諸士は銘記しなければならない ― 戦争の勝敗は一
にかゝつて戦ふ者の精神にあり、我が彼を恐れなけれ
ば彼は必ず我々を恐れ、また相手を恐れるものは必ず
敗れ、相手を恐れないものは必ず勝つといふことを。
吾等の銃砲は日本のそれに劣ると雖も、吾等は飽く
までも犠牲の精神を堅持してゐさへすれば足りる。忠
勇にして恐れざるの革命精神を以て前進突撃すれば、
日本が必ず敗れることは毫も疑ひのないところであ
る。何故ならば、日本の軍隊は機に乗じて功をとり得る
のみで、真の犠牲を欲してはゐないが故である。
- 846 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:38:06.41
- B「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
ニ、最後の勝利が我に帰することを信ずべし。
日本軍は我が領土に於て作戦するが故に、至る処に
於て地理に通じない。しかも各地の民衆は凡て我が同
胞であつて日本の仇敵である。従つて日本の軍事行動
は至る処に於て殆んど進展し得ず、その結果日本の将
兵は死を恐れて犠牲を拒むに至るであらう。茲に於て
日本軍の行動は緩慢となり、敢て迅速なる進撃を行は
ず、僅かに飛行機及び大砲によつてのみ吾等に猛撃爆
破を加へ、吾等を威嚇して後退せしめんとし、真の戦
闘はこれを回避するであらう。故に我軍は死を誓ひ、
死を決して頑強に抵抗し、苦を恐れず、難を怖れず、
死を怖れず、落着いて照準を定め、弾丸を愛惜し、持
久死守しさへすれば、日本軍の実力は消耗し、遂には
必ず我軍の勝利となること瞭かである。従つて我軍の
将兵は戦に臨んで決して周章狼狽してはならない。た
とひ一時は挫折することはあつても、日本軍の犠牲を
肯んぜず敢て急進しない上いふ弱点を利用し、従容と
して戦闘力を補給し、奮闘を継続しさへすれば、最後
の勝利は必ず我軍の手に帰することは疑問の余地さへ
ないところである。
- 847 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:38:36.46
- C「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
三、智能を活用して自ら抗戦すべし。
作戦に関しては最高統帥部より指示を与へ、各部隊
所管事項に関しては必ず各部隊の各級指揮官が自ら詳
細に研究し、以て本部の手の及ばないところを補ふこ
とになつてゐる。例へば地形、敵情、我軍の状況、便
衣隊の配置、諜報者の使用、激戦による補給断絶に対
する応急措置、交通阻礙による命令中断に対する臨機
の措置等は、凡て各部隊の指揮官が積極的に智能を活
用して決定すべきものである。なほ上は軍長、師長、
旅長より下は営長、排長に至るまで、一貫して斉しく
堅守すべきことは各自の責任と本分とである。
- 848 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:39:21.52
- D「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
四、軍民一致団結して親愛誠実を致すべし。
如何なる戦争も民衆の支持を得て初めて勝利を得る
のであるが、今回の抗日戦に於ては特に全国各地全民
衆の力を動員して敵と決戦すべきである。
しかし民衆と軍隊との協力一致、相互扶助を望むな
らば、先づ民衆に対して親愛誠実の情を示し、以て民
衆の信頼と尊敬とを獲得しなければならない。これあ
つてこそ初めて軍民一如の目的を達することが出来る
のである。而して民衆に対して親愛誠実の情を表示す
るには常に同情の念を以て彼等に接し、彼等をして過
度に疲労せしめず、怨嗟を生ぜしめず、遭難の老幼婦
女を見れば必ず力を尽してこれを援助し、自己の肉身
と同様にこれを遇すベきである。戦闘区域及びその附
近の民衆に対しては、特に祖国が今や危急存亡の岐路
に立つてゐることを告げ、凡そ中華民国の同胞たるも
のは斉しく結束奮起して殺敵救国の大義に赴くべきこ
とを理解せしむることが肝要である。また随時随所に
民衆を援助し、民衆を教導し、民衆を救護し、親愛誠
実の情を示して彼等と辛苦を共にしなければならな
い。かくの如く軍民団結すれば民衆も自ら楽んで軍隊
を支持し、売国的間諜は勢ひ発生せず、敵は遂に敗北
すること瞭かである。
- 849 :名無し三等兵:2016/11/30(水) 02:40:07.64
- E「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
五、陣地を堅守し進撃するとも退却すべからず。
我が革命軍の精神は、前進するとも絶対に退却せず
といふ点にある。我が革命軍の成功も亦前進あるのみ
で退却しないといふところにある。従つてもし退却す
るものがあれば、連座法によつてこれを処断すべきで
ある。過去の作戦もかくの如くであつたが、今次の日
本に対する作戦に於ても亦連座法の実施を必要とす
る。何故ならば、連座法を実施することによつて勇敢
なるものは安堵し、死を恐れるものは退却せんとして
も退却することが出来ず、かくて初めて最後の勝利を
獲得し得るが故である。
日本軍はその強大な武器をもつて猛爆進攻するであ
らう。しかしもし我が軍が山の如く屹立し、陣地を堅
守し、進撃あるのみで退却を知らず、敵の接近を俟つ
て突撃肉薄すれば、日本軍が如何に飛行機、大砲を有
するもこれを使用するに途なく、我が軍は持久戦線に
於て必ず最後の勝利を得るのである。これに反して、
もし指揮者の命に従はず、恣に自ら退却して個人的に
連座法の処罰を受けるのみならず、更に部隊の士気を
動揺せしめ、害を国家に及ぼすが如きことがあれば、
これは狼を曳ひて室に入るの危険を敢てするものであ
り、また兇漢の悪事を援助する売国奴となることである。
- 850 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:29:32.81
- F「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
もし各陣地に於て、本委員長の命を俟たず、擅に
後退するものがあれば、その何人たるを問はず一斉に
これを売国罪として極刑に処すべきであつて、毫も容
赦してはならない。吾等は何時かは必ず死ぬものであ
るが、その死をして意義あらしめなければならない。
死は光栄である。苟も自ら恣に退却して軍法の制裁を
受け、死刑に処せられるが如きことあれば汚名を万年
の後に遺すものである。これに反して日本軍に対する
応戦の犠牲となるならば、それは芳名を百世に遺すも
のである。
中央政府は拠点固守奨励の弁法を定め、能く拠点を
固守し敵の攻撃に対しても退却しなかつたものは即刻
三級を昇進せしめ、三代に亙つて栄位を贈り、その余
栄を子孫に及ぼさんとするものである。故に諸士は努
めて陣地を堅守し、攻撃あるのみで退却することな
く、国家のために光栄を増し、自己のために栄誉を保
つべきである。これに反してもし恣に退却を敢てする
ものがあれば、中央政府は必ずこれを売国間諜の罪名
に於て処罰し、これを極刑に処するに何等の容赦も許
さないであらう。
- 851 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:30:16.04
- G「抗日全軍将兵に告ぐ」 蒋介石 昭和12年7月17日
以上は日本勢力の駆逐並に中華民族復興のための最も
重要なる五つの項目であるが、今後なほ重要なる事項が
生ずれば更めてこれを指示するであらう。
諸士は満洲事変によつて吾等が東北四省を失ひ、爾来
民衆は苦悩を受け国家は領土を喪失し来つたことを忘れ
てはならない。吾等は一時一刻たりともこの大なる恥辱
を忘れてはならないのである。
最近数年来、吾等は忍耐に忍耐を重ね、無抵抗の態度
をつゞけて来たが、これは果して何のためであつたか?
国内の安定を図り、統一を達成し、国力を充実し、最後
の関頭に臨んでは即ち抗戦し、雪辱せんがためであつた
のである。
今や既に平和の望みは絶えた。この時に当り、吾等と
しては徹底的な対日抗戦あるのみである。故に吾等は挙
国一致、犠牲を惜まず日本と決戦すべきである。我が国
民は黄帝の革命的子孫たることを自覚し、死を決して難
に赴き、報国の途をはかり、以て孫総理及び先烈の犠牲
に対して報ゆるの覚悟がなければならない。吾等は数千
年来祖先の遺留したまへる光栄ある歴史と版図とを維持
し、吾等の父母、師父、先輩の吾等に与へた深厚なる教
誨と扶養との恩に報い、以て吾等の子孫に対して恥づる
が如きことのなきやう心がくべきである。
抗日全軍の将兵諸士! 時機は既に到来した! 吾等
国民は心を一にして殺賊に努力し、攻撃あるのみで退却
することなく、万悪の日本軍を駆逐し、以て我が中華民
族の復興を図らうではないか!
- 852 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:31:52.16
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`l 、_ ,. / 諸事正直を旨とし、誇張虚言を恥とせよ。
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ヽ、 ノ 行ひて俯仰天地に愧ぢざるべし。 (戦陣訓)
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- 853 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:33:47.21
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- 854 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:34:28.33
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- 855 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:35:15.17
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- 856 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:37:07.32
- 蒋介石「日本国民へのメッセージ」 @
一年前に述べた如く支那の抵抗は自国の存立の為のみならず日支両国国民
への幸福のためである。日本軍閥は支那のみならず日支両国民の敵である。
過去十二ヶ月の闘争は確信を変えず支那全国民はこれに同感である。日本軍
部は国民に対して支那に於ける連戦連勝を欺瞞してゐるが日本陸海軍が最初
に公言した如き速戦即決は実現したであらうか。半年で終ると称した戦争が一
年となり、二年となり、而も未だ終結の見透しがつかぬではないか。日本国民の
負担は益々加重し経済的危機は国民の上にのしかかってゐるではないか。何故
に日本の若人は後から後から召集されては戦場に送り出され戦死者のみが帰っ
て来るのか。過去十二ヶ月間の日本国民の精神的困苦如何ばかりであったか。
然してその苦しみは何故であったか、そして之等の終りには何が来るのであるか。
日本国民は実に軍閥のために支那国民に対する甚だしい誤れる観念を受け入れ
るべく惑はされ且つ刺激されてゐるのだ。これらに必要なものは其の観念の根本
的変更である。日本軍閥が其の国民を欺瞞するに好んで用ひる二つの定り文句が
ある。一は即ち支那の本性は親日なりといふことであり、其の二は支那がソヴェー
ト化してゐるといふことである。斯様な想像の産物たる空宣伝は事実の証明の前
には一溜りもなくその出鱈目を暴露するのである。抑々過去四千年に亘り支那人は
その平和愛好の美徳を以って聞へてゐる。現在の抗戦は唯傲慢且つ侵略的なる日
本軍閥に強ひられ止むなく起ったものである。一国は隣国の内政問題に干渉すべき
ではない。然し敢て指摘する。支那の政体はソヴェート制に非ず、それは故総理の
遺訓たる三民主義に基くものである。誇大なる宣伝により国民に滲み込まされつつ
ある日本軍部の無謀な政策は日本国民を泥沼に引入れた事実に今こそ日本国民は
その足跡をふり返って見るに最も適当な時期である。今総ての日本人の前には執る
- 857 :名無し三等兵:2016/12/01(木) 03:40:08.12
- A「日本国民へのメッセージ」 蒋介石
遺訓たる三民主義に基くものである。誇大なる宣伝により国民に滲み込まされつつ
ある日本軍部の無謀な政策は日本国民を泥沼に引入れた事実に今こそ日本国民は
その足跡をふり返って見るに最も適当な時期である。今総ての日本人の前には執る
べき二つの明かな手段がある。一は彼等の過去の過誤に目醒めこれを悔ひ改める事
である。其の二は其の国策を根本的に改める事である。全日本国民は拡大政策の絶
体的に誤れる事を知り、且つ此の政策は唯彼等を破滅に導くのみである事を自覚する
べきである。唯独立且つ強力なる支那のみが東亜の平和と秩序を保証する。然して東
亜の真の平和と秩序のみが日本国民の幸福と繁栄を保障するのである。仮令支那が
日本の侵略に抵抗せずして其の属国になったとしても支那4億5千の国民の憎悪は日
本の国力と安定に反撃し遂には完全に日本帝国を壊滅せしめるに至るであらう。中国
の抗戦これこそが日本軍部の無敵陸海軍の有する尊大な夢を打破る唯一の方法であ
る点に於て日本自体の利益であるとさへ言へやう。随って中国の抗戦こそは日本国民
がその中国に対する侵略的意図を放棄して以て日本自体を救ふべき千載一遇の好機
といはねばならぬ。真実と正義とは中国の側にある。仮令日本国民が挙げて武装して
中国と戦ふとしても中国は決して滅ぶるものではなく返って日本に対する愛憐と同情の
念を強めるばかりである。日進月歩の現下の世界に於て日本が自国を救ふ途は唯自ら
過去の誤を悔ひ改めて其の政策を改変する以外には絶対にないのだ。
- 858 :名無し三等兵:2016/12/02(金) 02:23:20.65
- 米国の指揮下に一千機を建造 昭和12年2月21日
支那の航空三年計画
民国の独裁官蒋介石が”航空救国”を高調してから目標空軍一千機にスタートを切ったのは上海事変直後のことである、多事
多難な「地震の殿堂」南京政府ではあったが、この大航空建設の念願は年一歩と進展し到頭「一つの空の偉力」をアジアの一
角に出現させてしまった、そして新陣容を整えた青天白日旗下のこの民国空軍の華やかな光芒の蔭には実に”アメリカ”と云う
黒幕が隠然と存在していたのだ、そして今も尚おアメリカの指導下にあって、民国は更にその空軍を倍加せんと画策している
先ず国民政府に属している現在の空軍を観れば、上海事変当時は陸上七隊水上一隊に過ぎなかったが、アメリカの積極的
指導を得て空軍の内容刷新と、その兵力の増加を策し一方国民の航空熱熾盛化と相俟って空軍拡充の気運を醸成し来った
例えば米国と航空密約を締結して空軍の根本的刷新を図るためその一時的方便として先ず陸上七隊を三隊に縮小し、残りを
杭州飛行学校に集中してアメリカ飛行士を招聘、根本的に空軍勤務者を訓練した
かくして支那空軍は”尋常一年生”にかえって根本的にやり直しを行い、その為に内容は漸次充実性を帯びて来たが、所謂「
支那航空三年計画」は昭和十一年末を以て略完成をみたと伝えられているが、それに依ると
一、偵察機 三五〇機
一、駆逐機 三〇〇
一、軽爆撃機 二〇〇
一、重爆撃機 一〇〇
一、水上機 五〇
計 一、〇〇〇
に及び、近くこれは七乃至八聯隊に編成され更に茲数年後には一層優勢な空軍を保有するだろうと観られ、その背後に指導者
アメリカが存在しているだけに「単なる支那空軍」として決して軽視出来ない情勢に到来した事は確である、一方、地方軍閥に
- 859 :名無し三等兵:2016/12/02(金) 02:23:53.45
- 米国の指揮下に一千機を建造 昭和12年2月21日
支那の航空三年計画
よって育成され、中央空軍とは別個に取扱われているものに四川の二十機、山西の十五機など
その他貴州、雲南にも若干機あるが、支那協賛軍にも「朱毛空軍」といわれるものが数台あると
いわれ、これはソ聯空軍の支給によるものと伝えられている、面白いのは地方空軍の飛行機操
縦者が殆ど外人飛行士であることであろう
さて支那空軍の発達をみる場合、われわれはアメリカの根強い支援を決して忘れることは出来
ない、アメリカの援助は中央空軍の拡張を企図したのであるが、その裏面には支那政府が米国
に軍事上重要な利権を提供していることである、更に各地方空軍は名義上支那軍閥に属してい
るが、実権は殆ど米国の手に帰している、そしてアメリカの教官は現在百名を超えている、飛行
機とガソリンは全部アメリカによって制せられている、例のリースロスの国幣改革案に基く銀国有
の断行で支那の財政は愁眉を開いたというが、ここでも巨利をせしめたものはアメリカの飛行機
会社だった、何しろ一年に三百機も売り込むアメリカである、ただその蔭にもう一つのたくらみが
潜んでいることをわれわれは知ることが出来る、それは抗日の熱病に憑かれた支那の官民を煽
りたてて、空軍を拡張させれば一つは対岸の強敵”日本”を牽制し得るというアメリカ式考えから
であろう、これは米国としては一石二鳥の名策として自負するに充分なものがあろう
最後に、最近の支那民間航空状態に一瞥触れてみよう
現に民間航空機といわれているものは四十機程ある、そして支那の民用航空は大体次の三系
統に分れている
- 860 :名無し三等兵:2016/12/02(金) 02:24:27.97
- 米国の指揮下に一千機を建造 昭和12年2月21日
支那の航空三年計画
中国航空公司(米国系)
昭和四年四月創立、同年七月米支航空新契約の締結により米支合弁となる、しかし実権は米国
人の手中にある
第一線 上海、南京、漢口、重慶、成都を結ぶ
第二線 南京、徐州、済南、天津、北平を結ぶ
第三線 上海、寧波、温州、福州、広州を結ぶ、このほか重慶−雲南線を最近完成し、昭和十一
年十月より香港において太平洋横断定期航空路と完全に連絡、更に計画中のものもある
欧亜航空公司(独逸系)
ドイツ「ハンザ」航空会社により昭和五年より開始された独支合弁
第一線 上海、南京、北平、満洲里(西伯利亜経由伯林)
第二線 上海、南京、北平、庫倫(同右)
第三線 上海、南京、甘粛、新疆(同右)
更に昭和十年には北平−広東線西安−雲南線の諸線完成し、就航をみている
西南航空公司−西南五省官民公弁事業
昭和十年より事業を開始し、目下広東−南寧−竜州の定期航空を実施している、使用機及び操縦
士は米国に仰いでいる
- 861 :名無し三等兵:2016/12/02(金) 02:31:00.37
- 昭和12年7月9日 国民政府の北市中央化工作今や爆発点に達す
冀察政権切崩しに狂奔
南京本社特電【八日発】盧溝橋における日支衝突事件は国民政府に非常な衝動を与えているが一面には起るべく予想された
不祥事件が幾分早目に勃発したと見る向きが多くまた国民政府部内の一部においても現在の北支の情勢をものまま放置せば
勢いの赴くところ早晩大規模の日支衝突は避け難く両国外交当局はむしろかかる時こそ国交調整に乗出すべきで時機の熟す
るを待つがごときは卑怯であるとさえ極言している、勿論これは日支の将来を憂慮するあまり発せられたものであるがいずれに
しても国民政府の北支中央化は最早や爆発点まで到達したものと見ねばならぬ
即ち北支の中央化は三中全会以後急速に進められたものだが殊に最近一ヶ月半における変化は極めて激しく北支平和の大
綱である梅津、何応欽協定のごときも今や次第に有名無実化せんとする実情にある、これは具体的には内政部長蒋作賓氏の
北支巡視によって、行悩みとなっていた北支からの国民大会代表選出候補者の選定を見たのみでなく満洲国に最も反感をもつ
満洲出身分子も特殊選挙による東北各省国民大会代表に内定せるをはじめ国民党部宣伝部副部長方治氏の数週間にわたる
北支の遊説、馮玉祥、鹿鍾麟の冀察政権切崩し策は枚挙に暇なく秦徳純氏が三中全会において完全に中央に籠絡されたの
は周知の事実であり、冀察政務委員会委員戈定遠氏は当時宋哲元氏に対する中央の間者であり、今回衝突事件の責任者馮
治安氏のごときは全く中央化され現在七万と称せられる二十九軍中、実際宋哲元氏の命に服従するものは寂寥々たる有様で
あり 宋哲元氏の郷里楽陵逃避のごときも国民政府からの次から次への無理難題が諸原因をなしていると支那側では伝えてい
る、このほか冀察各機関の中堅分子は殆ど中央系で固められ今や北支は冀察政権樹立前の状態に還元せるもののごとく国民
政府の抗日策による北支中央化を中止せぬ限り日支紛争は至るところにあるものと見ねばならぬ
- 862 :名無し三等兵:2016/12/02(金) 02:34:59.14
- 昭和11年5月18日 憂慮すべき北支の形勢 支那国民の危険な錯覚
一
かねて山西に侵入していた共産軍の主力は、中央軍を山西省内に誘導する工作を終えて、悠々と陝西省内に引揚げたので、
北支の形勢は一見緩和されたかの観あるに引きかえ、日本反対の暗流が滔々として増大しつつあるのは見逃せない事実であ
る。過日現われた馮玉祥氏の日支開戦論の如きは、いつもの癖として別に意に介すべきでないようなものの、北支に漲る反日
暗流が、馮玉祥一派の操縦する第二十九軍(軍長宋哲元氏はロボットにすぎぬ)の態度と深い関係ある点などに徴してこれを軽
視することはできない。実をいえば過般来一意平和を旨とする北支経済工作として日本では製塩、棉花栽培、製鉄等の諸計画
も漸次具体化せんとし、これを中心として冀察、冀東両政権合体等の政治的問題の解決も、さほど困難でもあるまいと見られる
ようになりつつあった際とて、右の如き前途に憂慮すべき結果の予想される暗流を見るに至ったのは如何にも遺憾なことといわ
ねばならぬ。
二
かくの如く支那側には日本側と協調して行こうとするこれまでの方針を阻止するような一派の運動が次第に擡頭しつつある一方
、日本側においては北支駐屯軍の増強が行われ、積極自主の外交方針を強行しようとする徴候があり、かたがた北支における
日支両国協調の大方針は、終に一変して対立抗争の幕を再現する懼れなきか憂慮に堪えないものがある。つらつら支那側の
対日逡巡、態度硬化の原因を尋ぬるに、支那は単独に日本に当らねばならなかった過去二年間の逆境時代から今や脱却して
漸次他国の援助を期待し得ようとする時代に入りかけていることを、支那自ら意識し、これを過大に評価しはじめた結果ではな
かろうかと思われる。その原因もとより一、二にして止まらないが、或る強国との利害関係が漸次一致して来たとの誤診により、
支那の反日運動が誘発されつつある事実を見逃すことはできない。少くとも日本としては支那におけるイギリスの立場と、ロシ
ヤの立場とについて注意を怠ってはならないのである。
- 863 :名無し三等兵:2016/12/02(金) 02:36:26.91
- 三
まずロシヤについて考察して見よう。昨年の共産党大会において、支那共産軍に対する指導方針を改変し、抗日の旗印の下に
民衆を糾合すべく、国民党との合作にも支障なからしめようと企図されたことは周知の事実である。支那はロシヤの最大関心が
西はドイツに東は日本におかれていることを意識し、日本に対する共同戦線を夢みるもの日に多きを加え、この企図が一九二
四年当時、反帝運動と支那の民族解放運動とに結びつけ、支那をロシヤの目的のために利用せんとした時と全く同じような瀬
戸際に支那国民を追い込まんとするロシヤ一流の辛辣なる外交工作であることを忘却し切っている観さえあり、現に馮玉祥一
派の暗躍などに徴すれば思い半ばに過ぐるものがある。支那の国民性は平和的であり素質は極めて敦厚であるが、一旦興奮
に陥ると、前後の見さかいもなく自ら死地に飛びこむことさえあるのはしばしば指摘されるところである。その時には平素のスロ
ー・モーションとは似もつかず、躁狂性を現わして来るが、『日本の手に亡びんよりは寧ろ共産亡国を選ぶに如かず』などと叫ぶ
ものさえ飛出すが如きそれがためである。
四
ロシヤと生死を共にしようとする一派は自暴自棄の不平分子で、敢て歯牙にかけるに足らぬといえばそれまでだが、ここに見逃
すことのできないのは、イギリスの北支における権益擁護の運動が漸次イギリス政府を動かそうとしていることである。リースロ
ス氏の来訪に際して、吾人は支那の対日転向方針の決定は決して支那単独のものでなくして、実はイギリス側の意向を反映し
ているものでないかについて一再ならず注意を喚起した。その後支那におけるリースロス氏の活動は、英支両国の利害関係を
完全に融洽せしめ、日本に対する共同戦線を用意するが如き方向を指しているとしか見ることのできない状態にある。かような
わけであるからこの際最も憂慮すべき危険は、支那が冷静なる判断を失って、英露の支那における利害関係の接近を過大に
見積り、日本の強化されたる積極陣に向って単独衝突を来たしはしないかの一点にある。吾人はこの危険を指摘して、東亜大
局のために、関係各国当局の善処を希望する。
- 864 :名無し三等兵:2016/12/02(金) 02:47:49.22
- 昭和11年.12月4日 在支邦人紡罷業遂に抗日暴動化
青島にわが陸戦隊上陸 上海でも工場襲撃
青島本社特電【三日発】青島の邦人紡績罷業はいよいよ悪化し職工側暴動化のおそれがあるので、わが陸戦隊○○名は北支
警備先任指揮官宇垣大佐指揮の下に抗日暴動勃発の機先を制して三日未明青島に上陸、直ちに邦人紡ストライキ扇動の指
揮者と目される不良職工およびその背後関係各機関に対し積極的行動を開始する一方日本側各機関はじめ居留地および台
東鎮から滄口までの工場地帯における警備についた、二日夜ロックアウトされた職工約二万六千名は工場地帯を通行する邦
人に対して投石または通行妨害をなし形勢は以前不穏である
当然の我権益擁護
青島への陸戦隊上陸につき海軍省は三日午後三時半副官談の形式で左の如く発表した
海軍省副官談(きのう発表)
過般来青島における邦人経営紡績工場に罷業、怠業などの気勢あり、形勢楽観を許さざるものがあったのでわが第三艦隊は
在青島日支諸官憲と密接なる連絡を取り警備上万遺憾なきを期し市政府当局に対しては厳重警告しその善処を促しありしも支
那官憲の措置は実績あがらず事態は益々悪化し昨二日各邦人紡績会社はその工場を閉鎖するのやむなきに至り、しかも事態
はさらに悪化暴動化せんとする傾向あるをもって同地警泊の天竜、球磨、長良、竜田および第二十二駆遂隊は昨夜陸戦隊の
一部を上陸せしめ在留邦人の生命財産ならびに諸権益を保護するとともに支那官憲に対し一層積極的に取締方を要望してい
る、なお陸戦隊揚陸に際し、北支警備先任指揮官は左のとおり声明した
在青島邦人紡績各会社公認の罷業怠業問題に関してはさきに市政府は全責任をもってこれを鎮圧する旨言明したのでわれわ
れはこれを信頼して今日までこれが平静に帰しすみやかに安居楽業が出来るのを待っていたのであるがその後の情況を見る
に事態遺憾ながら鎮静する模様なく遂にわが全紡績工場一斉に無期休業するの止むなきに至り、わが権益ならびに居留民の
生命財産に危険を感ずるに至ったのでわが海軍の警備任務と正義に基きここに連合陸戦隊を揚陸し直接これが保護に任ずる
こととなった、この際特に一言したきは互に流言飛語を慎しみ一時の興奮により軽挙妄動せず大局にかんがみ速に事態の平
静ならんことを望む次第である
- 865 :名無し三等兵:2016/12/03(土) 01:30:01.62
- 昭和11年11月6日
日本を仮装敵に支那国軍の近代化
西安軍事会議の真目的
最近頻りと西安の軍事会議について兎角の内容が伝えられている。しかし乍ら、其範囲は『目下行われつつある南京交渉を側
面から刺戟する一方、北支に対する牽制、即ち冀察政権の対日深入りを制圧せんとする意図のもとに所謂対日国防の強化を
具体化すべく、蒋介石を中心として張学良の旧東北系将領に、閻錫山、徐水昌等の山西派将領をも含めて協議しつつあり』と
いうにある。果して然るか。もとより斯る政策的意図の蒋介石によってたくまるることは当然であるが、同時に辺境防共策並に
剿共工作に関する成案を得て、南京交渉の眼目となっている日本側の北支防共共同工作を一方的に解決せんとする所に最大
の目標を置いているのではあるまいか。とまれ、交渉の機微に亘る解説は、此際相当興味ある所ではあるが、当局の注意もあ
る事であるから、問題を一転して、斯くまでに支那側をして対日硬化の自意識を包蔵せしむるに至った原動力、即ちその国防力
の中心、軍隊の組織に就て解説する事は必ずしも無意義ではあるまい。
満洲事変以来早くも五箇年を閲した。此の間支那に於ける排日テロ事件は相次いで起り排日熱は今やその極に達したかの観
さえ抱かしめている。この暴戻なる侮日事件の温床である全支の統制工作に、絶大の成果を収めつつある蒋介石は、訓政期を
過ぎて憲政期に入ったという支那の国防軍を如何なる態度で統率しているか、先ずその統一強化の程度如何から通観して見る
必要があろう。 その強大なる武力と、浙江財閥の支持とによって南京政府を全く蒋政権化したといわれる蒋介石の直系武力
は、今や支那陸海空軍の八割以上を占めて、支那国防力の基礎を為し、爾余の雑軍に対する蒋介石の支配は既に実現された
も同様の現状である、而して今や西南問題は解決され、半独立の状態を保って来た西南軍隊は、正に蒋の支配下に編入され
つつあるのである。茲に於て蒋の全支統一が最後の段階に達した如く支那軍隊の統一は最早疑いをさしはさみ得ないところと
なって来ている。従って、不統一の故に国防力の中心として非常に脆弱視されていた支那軍は、今や列国の統一された軍隊と
同様に、国防的中心勢力として、その威力を発揮し始めているのである。 満洲事変以後の抗日熱に刺戟されて、驚くべきスピ
- 866 :名無し三等兵:2016/12/03(土) 01:31:50.81
- 昭和11年11月6日
日本を仮装敵に支那国軍の近代化
ードを以て進行している支那軍隊の統制強化は質的には蒋介石の着手した機械化訓練によって、列国と同様に近代的軍隊と
なり、量的にも抗日熱が支那の各界を蒋介石の軍権に結びつけ、且蒋の功妙なる政策に操られて、直接支配力の強化によって
雑軍、反蒋軍の整理と中央軍の増兵とに成功した。この質的、量的強化の為めには飛行機、タンク等が献納されて蒋の武力強
化策の実行を容易ならしめ、更に又世界を挙げての国防充実政策の影響が支那のこの傾向を一層助長した。此外列国の対支
武器輸入禁止協定が廃止されて以来、先進重工業国は競って支那に武器を売り込んだ。蒋一派の南京政府は、益々欧米依存
主義の濃度を増して、その結果支那に要する武器は殆ど欧米軍需工業会社の製品を以て支那を世界軍需工業の偉なる市場と
化している有様である。 斯の如く、支那軍隊の機械化、武力強化の要求と先進国の武器売込み競争とは、支那武力の近代化
並にその強化に強く作用したのである。最近の独支協定、米支協定、英支協定等何れも対支武器供給を約束している事は注
目すべき所である。 以上の如く、支那の軍隊が近代化され強化されるに従って、国民の国防に対する自信と熱情とは愈よ深ま
り行く観を呈するに至ったのである。そこで蒋の国防計画は之を巧に利用して着々その進行を期している。現に北方黄河の線に
蘇連式トーチカ(砲塁)の列陣を布き、長江筋や海岸の要地には要塞を構築して、海上よりする敵軍の上陸には間隙なき火力の」
猛射網が張られるに至ったと伝えられている。 而して国防軍の訓練は一般に普及され、学校から役人、商店の小僧に至るまで
軍事訓練をなし、更に芸妓までが鉄砲をかついで軍事訓練を受けているという。此の傾向は今年夏の西南問題以後一層助長さ
れた観があるが、之等はすべて日本を仮想敵としている事は疑うべくもなき所にて注意を要すべきである。 応戦国防に邁進 総
兵力二百七十五万 陸大の教官は独逸将校軍隊の統一強化と、国民の国防熱及び抗日熱利用政策の成功等は、南京政府の
国防軍事を極めて有力なものとなし、その対日抗戦的な傾向は一段と強化されるに至ったことが理解されよう 去る七月十四日
、西南問題対策の二中全会に於て、南京政府は国防会議の特設を決議し、応戦国防の綜合的実現に邁進する事となったが、
この会議は
- 867 :名無し三等兵:2016/12/03(土) 01:33:51.23
- 昭和11年11月6日
日本を仮装敵に支那国軍の近代化
(一)国防方針
(二)国防外交
(三)国防事業と国家施設の協力に関するもの
(四)国防緊急事項の処置に関するもの
(五)国家総動員事項
(六)戦時の一切組織に関するもの
(七)その他国防に相関連する重要事項を審議
するものであって、正に国民的統一戦線の結成を指標としているものである、従って、その威力が決して三五年前の支那軍隊と
同一に想像してかかる時、対手国は意外の失敗を招くであろうことを忘れてはならない
国民政府組織法第三条、第四条によれば、政府は陸海空軍を統率して、宣戦、媾和の権を行使する事になっている、即ち政府
主席は中華民国の陸海空軍の最高統率者である訳である、然るに、蒋介石が政府主席時代には名実共に此の国軍総司令を
も兼任していたが、彼が政府主席を去ってからは、実質的には、政府主席に軍事的最高権はなくなると共に、実権は一切蒋介
石について廻っている、そこで蒋は、これを合法化する為め軍事委員会を組織し、彼自ら委員長となって三軍の総司令を兼任す
る事となり、その下に形式的に今では兵力を有たぬ憑玉祥と閻錫山を副委員長に据え、以て軍事に関する実質上の権力を依
然蒋自身が握るところとなっているのである、
軍事委員会の外には、中央軍事機関があって、軍政部、(部長何応欽)海軍部(部長陳紹寛)参謀本部(参謀長朱培徳)記練総監
部(訓練総監唐生智)軍事参議院(院長陳調元)及び陸海空軍総司令部(総司令官蒋介石)
猶お、国内全軍隊を中央化する為め、着々とその工作が進められているが、中央軍事機関に対する地方軍事機関には、綏靖
公署と督●及び司令がある
- 868 :名無し三等兵:2016/12/03(土) 01:35:21.14
- 昭和11年11月6日
日本を仮装敵に支那国軍の近代化
昨年五月南京に開院した陸海空軍大学院は、将官及び軍人の教育に当っているが我国の陸大に当る陸軍大学校は、参謀本
部に直属し創立以来三十数年を経、卒業生は支那軍の要位にある、而してその教官には独逸人が多い、その他日本の士官学
校に相当する中央軍官学校は南京にあって蒋介石を校長とし、専門学校としては訓練総監部に属する、『歩兵学校』『砲兵学校
』『工兵学校』等があり、又軍政部所属としては『軍医学校』、『軍需学校』『獣医学校』及び、『陸地測量学校』等がある、それに
航空学校としては杭州、洛陽、西安に中央航空学校があって航空署に隷属し米国の飛行将校、伊太利、独逸の将校が教官と
して入り込んでいる、この外地方に諸航空学校並に航空訓練所等がある
中央軍及び諸地方軍を合併すれば、支那陸軍の総兵力は二百二十五万二千七百五十人と推定される、この外不正規軍は約
五十万人と推算されている いま一九三五年末調査の正規軍推定兵力を軍隊派別に見ると次の様である
而して軍編成の平時単位は、師であって之は通常兵数約一万歩兵二旅(六団)又は三旅(六団)を基本としている、全軍は百九十
八師、五十騎、騎六師、騎九旅、砲四旅に分れ、各路軍(二十三路軍)と各軍(四十六軍)とが各師にそれぞれ複雑な所属関係を
以て編成されている 中央軍に対して独立的であった広東、広西の両空軍は、今年夏、広東問題解決以後、何れも中央軍の支
配下に服し、全支空軍は完全に蒋の指揮下に立つこととなった依って空軍現勢はと見ると、一九三四年六月現在に於て約四
百機ということになっている、然し其後蒋介石によって購入された分百五十機を算入するとき、今や六百機に近い勢力を有って
いると予想されている。一方、支海の海軍は第一艦隊(沿岸艦隊)第二艦隊(長江艦隊)第三艦隊(元東北海軍)第四艦隊、練習
艦隊、川江公安艦隊、海軍陸戦隊、粤海艦隊等を以て編成されているがまだ国際的勢力にまでは進展せず、今後着々改造に
向って計画が進められている、従って他日海軍の近代化と国際的勢力を保有するに至る場合は果して仮装敵を何処に求める
か、これ又我々にとって等閑に附し得ない問題でなければならない
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