リコリス・リコイル 66

10年前の事件の再来を目論んでいた真島・その動きを察知したDA・そしてDAの真島討伐作戦に参加していたたきなを支援するため
千束はじめ喫茶リコリコのメンバーは図らずも延空木に集結しそこで戦闘状態となる。

激しい戦闘で双方に夥しい犠牲が出る中、真島が吉松から入手していた新型人工心臓を現場に持ち込んでいたことを知ったたきなは
人工心臓が格納されたケースの奪取に成功するも延空木に仕掛けられていた爆弾が起爆、爆発による倒壊と火災に巻き込まれる。

転落しそうになり片手で建材を掴むも力尽きて堕ちようとするたきなの手をすんでのところで千束の手が掴む。
「両手で掴んで！でないと引き上げられない」「でもこの中には心臓が！」
千束はたきなの救出を優先、たきなはそれを受け入れケースを手放す。ケースは燃え盛る炎の奈落に落下し人工心臓は焼失する。
だが一連の過大な運動負荷の影響で千束に移植されていた心臓も知らずに限界を迎えていた。
喫茶リコリコへの帰途千束の心臓は機能停止、たきなが看取る。

負傷したフキとサクラを見舞うためDA関連施設の病院を訪れていたたきなにフキが封筒を手渡す。
回想と共にかつての二人のデートコースを巡り、水族館で封を開け中身を読み進めるたきな。
それは予め千束がフキに託していた手紙で「たきなは一人じゃない、私がそばにいる。私の魂はいつもたきなと共にある」と自分の気持ちを手紙にしたためていた。
感極って水族館の外に出た際に真島の残党に刺されてしまう。「なぜ隙を見せた　一分の隙も無いあんたがなぜ　悪く思うなよ」
自分はもう助からないことを悟ったたきなは、水族館に戻りかつて千束と語らった場所に辿り着き、そこで手紙を読み終えながら意識を失う。

声を掛ける職員「ちょっと　こんな所で寝てはダメよあなた…いい夢みたいね」
その顔には満足そうな微笑みが浮かんでいた。